半座位で頸静脈怒張がみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
右心不全では、右心室のポンプ機能が低下することで、全身からの静脈還流が滞り、上大静脈や下大静脈の圧が上昇します。この結果、頸静脈に血液がうっ滞し、半座位で頸静脈怒張として観察されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。右心不全では、右心室のポンプ機能が低下し、全身から心臓へ戻る血液がうっ滞します。その結果、上大静脈や下大静脈を経由する血液が心臓に戻りにくくなり、頸静脈に血液が貯留し怒張として現れます。選びやすい理由:他の選択肢も循環動態に影響を与えますが、直接的に頸静脈怒張を半座位で引き起こす主要な原因は右心不全です。混同注意:左心不全と混同しやすいですが、左心不全は肺うっ血を主とします。また、心タンポナーデなども頸静脈怒張を呈しますが、選択肢にはありません。
- 2. 広範囲熱傷では、体液喪失により循環血液量が減少します。これにより、中心静脈圧は低下する傾向にあり、頸静脈怒張は通常みられません。正しくは:広範囲熱傷では、循環血液量減少によるショック症状を呈し、中心静脈圧は低下するため、頸静脈怒張は認められにくい。選びやすい理由:ショック状態であるため、何らかの循環器系の異常があるとは考えられますが、頸静脈怒張は典型的ではありません。混同注意:循環血液量減少と増加による症状を混同しないように注意が必要です。
- 3. 大動脈瘤破裂は大量出血を引き起こし、循環血液量が急激に減少します。このため、中心静脈圧は低下し、頸静脈怒張は通常みられません。正しくは:大動脈瘤破裂は、大量出血による循環血液量減少を伴うため、中心静脈圧は低下し、頸静脈怒張は起こりにくい。選びやすい理由:これもショック状態を呈しますが、出血性ショックのため、頸静脈は虚脱傾向になります。混同注意:出血性ショックの病態生理を理解していれば、頸静脈怒張ではないと判断できます。
- 4. アナフィラキシーショックでは、血管透過性の亢進により血管内の水分が組織間液へ漏出し、有効循環血液量が減少します。また、末梢血管が拡張するため、中心静脈圧は低下する傾向にあり、頸静脈怒張は通常みられません。正しくは:アナフィラキシーショックでは、血管透過性亢進と血管拡張により有効循環血液量が減少し、中心静脈圧は低下するため、頸静脈怒張は認められない。選びやすい理由:ショックの一種ですが、循環血液量減少と血管拡張が主病態であるため、頸静脈は虚脱傾向となります。混同注意:ショックの種類とそれぞれの病態生理を区別することが重要です。アナフィラキシーショックは血管性ショックに分類されます。
国試ポイント
頸静脈怒張は、中心静脈圧上昇の重要な徴候であり、特に右心不全、心タンポナーデ、収縮性心膜炎などで見られます。各疾患の病態生理と関連する身体所見を結びつけて理解することが重要です。
混同注意
出血性ショックやアナフィラキシーショックなど、他のショック状態と混同しやすいですが、これらのショックでは通常、循環血液量減少や血管拡張により中心静脈圧が低下するため、頸静脈は虚脱傾向となります。頸静脈怒張は中心静脈圧の上昇を示すサインであるため、その鑑別が重要です。
次に同じ論点が出たら
頸静脈怒張がみられた場合、その原因となる心疾患や肺疾患についてさらに詳しくアセスメントを進める必要があります。例えば、心エコー検査や胸部X線検査、血液検査(BNPなど)が次の判断材料となります。
関連知識
中心静脈圧測定、心不全の分類と症状、ショックの分類と各病態、フィジカルアセスメントにおける頸静脈観察の意義