神経筋接合部にあるイオンチャネル型受容体にアセチルコリンが結合すると、あるイオンが筋細胞内に流入する。このイオンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
神経筋接合部にあるニコチン性アセチルコリン受容体は、アセチルコリンが結合すると開口し、主に細胞外のナトリウムイオンを筋細胞内へと流入させます。このナトリウムイオンの流入によって筋細胞膜が脱分極し、活動電位が発生して筋収縮へとつながります。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経筋接合部のアセチルコリン受容体は、主にナトリウムイオンの流入を介して活動電位を発生させます。塩化物イオンは通常、細胞膜を安定化させる方向に働きますが、直接的な筋収縮の引き金ではありません。正しくは:塩化物イオンは通常、抑制性の神経伝達に関与したり、細胞膜電位の安定に寄与したりします。選びやすい理由:イオンチャネル型受容体の機能は多様であり、他の神経伝達物質においては塩化物イオンが関与する場合もあるため、混乱しやすいかもしれません。混同注意:抑制性神経伝達物質(例:GABA)が関わるGABA受容体(Cl-チャネル)と混同しやすいです。
- 2. アセチルコリン受容体へのアセチルコリン結合では、主にナトリウムイオンが流入し、細胞内が脱分極します。カリウムイオンは活動電位の再分極期に細胞外へ流出することで膜電位を回復させる役割が主です。正しくは:カリウムイオンは活動電位の再分極において細胞外へ流出します。選びやすい理由:活動電位の発生にはナトリウムとカリウムの両イオンが重要であるため、どちらかを選択してしまう可能性があります。混同注意:活動電位の再分極におけるカリウムイオンチャネルの役割と混同しやすいです。
- 3. 神経筋接合部での興奮伝達において、アセチルコリン受容体が開くとまずナトリウムイオンが流入して活動電位が発生します。その後、筋細胞内の活動電位が筋小胞体からのカルシウムイオン放出を促し、それが筋収縮の直接的な引き金となりますが、アセチルコリン受容体自体が直接カルシウムイオンを流入させる主なチャネルではありません。正しくは:カルシウムイオンは筋収縮の直接的な引き金となりますが、それは活動電位発生後の筋小胞体からの放出によるものです。選びやすい理由:筋収縮にカルシウムイオンが非常に重要であるため、アセチルコリンと筋収縮の連鎖から直接的な流入と考えてしまう可能性があります。混同注意:神経終末からのアセチルコリン放出時のカルシウム流入や、興奮収縮連関における筋小胞体からのカルシウム放出と混同しやすいです。
- 4. 正解。神経筋接合部にあるアセチルコリン受容体(ニコチン性アセチルコリン受容体)は、リガンド結合型のイオンチャネルです。アセチルコリンが結合するとこのチャネルが開き、細胞外から筋細胞内へナトリウムイオンが流入することで、筋細胞膜の脱分極(終板電位の発生)が生じ、これが筋活動電位の引き金となります。
国試ポイント
神経筋接合部における興奮伝達の初期過程、特にアセチルコリン受容体が関与するイオンの動きを正確に理解しているかを問う問題です。どのイオンが、どのタイミングで、どの方向へ移動するかを区別できることが重要です。
混同注意
筋収縮に関わる複数のイオン(Na+, K+, Ca2+, Cl-)の役割や、神経伝達物質の種類によって異なるイオンチャネルの選択性を混同しやすいです。特に、興奮収縮連関におけるCa2+の役割と、初期の膜電位変化を直接引き起こすNa+の役割を混同しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、他の主要な神経伝達物質(GABA、グルタミン酸など)とそれらが関わるイオンチャネル(Cl-チャネル、非選択性陽イオンチャネルなど)の組み合わせ、あるいは心筋や平滑筋におけるイオンの動きについて問われる可能性があります。
関連知識
ニコチン性アセチルコリン受容体とムスカリン性アセチルコリン受容体の違い、活動電位発生のメカニズム(脱分極、再分極、過分極)、興奮収縮連関、神経伝達物質の種類とそれぞれの受容体が関与するイオン。