Aさん(53歳、女性)は休日に公園を散歩中、階段から落ちて頭部を強打し、意識を消失した状態で病院に救急搬送された。病院到着時のAさんは開眼せず、声は発しているが理解不能である。痛み刺激には逃れようとする動作がみられる。 グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉によるAさんの意識レベルの評価はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
GCSは開眼(E)、最良言語反応(V)、最良運動反応(M)の合計で評価します。Aさんは「開眼せず」なのでE1、「声は発しているが理解不能」なので理解不明の音声でV2、「痛み刺激には逃れようとする動作がみられる」ので逃避屈曲でM4となり、E1V2M4です(公式正答2)。合計は7点です。
選択肢ごとの解説
- 1. Aさんは声を発しているのでV1(発語なし)ではなく、痛み刺激から逃れようとする動作はM2(伸展反応)ではなくM4(逃避屈曲)です。正しくは:開眼なしE1、理解不能な発声V2、逃避屈曲M4で、E1V2M4です。選びやすい理由:意識障害が重いという印象から、低い点数を選んでしまうためです。混同注意:V1(発語なし)とV2(理解不明の音声)、M2(伸展)とM4(逃避屈曲)の区別。
- 2. 正解。開眼しないのでE1、声は発しているが理解不能なのでV2(理解不明の音声)、痛み刺激から逃れようとする動作があるのでM4(逃避屈曲)となり、E1V2M4が正しい評価です。
- 3. Aさんは開眼しないのでE2(痛み刺激で開眼)ではなくE1です。また、痛み刺激から逃れようとする動作はM2(伸展反応)ではなくM4です。正しくは:E1V2M4です。選びやすい理由:V2は正しいため、他の項目も同程度と考えて選んでしまうためです。混同注意:E1(開眼しない)とE2(痛み刺激で開眼)の区別。
- 4. E4V5M5は自発的に開眼し、見当識が保たれて会話できる状態に近く、開眼せず理解不能な発声しかないAさんの状態とは大きく異なります。正しくは:E1V2M4です。選びやすい理由:GCSの点数の向き(点数が高いほど意識が良い)を逆に覚えていると選んでしまうためです。混同注意:GCS(点数が高いほど良好)とJCS(数値が大きいほど重症)の取り違え。
国試ポイント
症例文の意識状態(開眼しない、理解不能な発声、痛み刺激からの逃避)をGCSのE・V・Mの各項目に当てはめて評価できるかが問われています。
混同注意
「声は発している」ことからV3(不適当な言葉)と迷いやすいですが、言葉として理解できない音声はV2です。また、痛み刺激を払いのける(M5:疼痛部位の認識)と、逃れようとする(M4:逃避屈曲)を区別します。
次に同じ論点が出たら
患者の具体的な状態(例えば、「自発的に開眼し、質問に答えることができ、指示通りに手を握ることができる」)が与えられた場合に、その状態をGCSで正しく評価できるか。また、与えられたGCSの点数から患者の意識レベルの状態を推測できるか。
関連知識
GCSの各項目とその点数:開眼反応(E):自発的開眼4点、呼びかけ開眼3点、痛み刺激開眼2点、開眼なし1点。言語反応(V):見当識あり5点、混乱した会話4点、不適切発語3点、理解不能な発語2点、発語なし1点。運動反応(M):命令に従う6点、痛み刺激で目的ある動き5点、痛み刺激で逃避反応4点、痛み刺激で異常屈曲(除皮質硬直)3点、痛み刺激で異常伸展(除脳硬直)2点、運動なし1点。最低3点、最高15点。