他動運動による関節可動域〈ROM〉訓練を行うときの注意点で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
他動運動による関節可動域訓練を実施する際には、目的とする関節の近位部をしっかりと支持することが重要です。これにより、関節の安定性が保たれ、無駄な動きや疼痛を誘発することなく、安全かつ効果的に関節の可動域を確保できます。近位支持は、てこの原理を適切に利用し、関節への負担を最小限に抑えるためにも不可欠な技術です。
選択肢ごとの解説
- 1. 他動運動による関節可動域訓練は、筋力増強や心肺機能向上を目的とした有酸素運動とは目的が異なります。関節の柔軟性維持・向上、拘縮予防が主な目的です。正しくは:他動運動に有酸素運動を取り入れることはありません。選びやすい理由:運動という広範なカテゴリで混同する可能性はありますが、他動ROM訓練の具体的な目的とは合致しません。混同注意:「運動」という言葉から、様々な運動形態を連想してしまうかもしれません。他動ROM訓練は、自力での運動が困難な場合の関節機能維持を目的とします。
- 2. 等尺性運動は筋力増強を目的とする運動であり、関節を動かさずに筋に力を入れるものです。他動運動による関節可動域訓練は、関節を動かすことが目的であり、等尺性運動とは異なります。正しくは:他動運動に等尺性運動を取り入れることはありません。選びやすい理由:リハビリテーションの一環として等尺性運動も用いられるため、混同しやすいかもしれませんが、他動ROM訓練の直接的な目的とは異なります。混同注意:運動療法には様々な種類があるため、等尺性運動も選択肢として適切に見えるかもしれません。しかし、他動ROM訓練は関節の動きそのものに焦点を当てます。
- 3. 正解。他動運動による関節可動域訓練では、目的とする関節の近位部をしっかりと支持することで、不要な部位への負担を軽減し、安定した状態で安全に運動を行うことができます。これにより、関節へのストレスを最小限に抑え、適切な関節運動を促すことが可能になります。正しくは:選択肢の記述で正しいです。選びやすい理由:遠位部を支えるという考え方もありますが、安定性という点で近位部支持がより適切です。混同注意:遠位部を支えることで動きをコントロールしやすくなるという誤解があるかもしれません。しかし、近位部を支えることで軸が安定し、安全性が高まります。
- 4. 他動運動による関節可動域訓練において、痛みがある場合は、無理に動かしたり、速く動かしたりすることは禁忌です。痛みを誘発・増悪させ、組織損傷のリスクを高めるため、痛みがない範囲でゆっくりと行うか、中止・再検討が必要です。正しくは:痛みがある場合は、動きを緩やかにするか、中止すべきです。選びやすい理由:可動域を広げるためには多少の痛みは我慢すべきという誤解があるかもしれません。混同注意:リハビリはつらいものというイメージから、痛みがあっても続けるべきと誤解する可能性がありますが、痛みは身体からの警告信号です。
国試ポイント
他動運動による関節可動域訓練における安全かつ効果的な実施方法、特に疼痛管理と身体支持の原則を理解しているかが問われています。リハビリテーションにおける基本的な看護技術と患者安全への配慮が重要です。
混同注意
他動運動と自動運動の違い、各種運動療法の目的、疼痛時の対応。
次に同じ論点が出たら
他動ROM訓練を行う際の患者の状態観察、疼痛評価、適切な体位設定、介助者の身体負担軽減策。
関連知識
関節可動域(ROM)の測定方法、関節拘縮の原因と予防、リハビリテーションにおける安全管理、痛みの評価と対処法。