経口薬と食品の関係について、正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
抗ヒスタミン薬は中枢神経抑制作用(眠気、鎮静など)を持ち、アルコールも中枢神経抑制作用があります。これらを併用することで、中枢神経抑制作用が相加的または相乗的に増強され、眠気、ふらつき、運動失調などの有害事象が出現しやすくなります。このため、抗ヒスタミン薬服用中は飲酒を避けるよう指導が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. テトラサイクリン系抗菌薬は、牛乳に含まれるカルシウムイオンと結合して難溶性のキレートを形成するため、吸収が阻害されます。吸収が高まるわけではありません。正しくは:テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳の摂取によって吸収が阻害される。選びやすい理由:特定の食品が薬の吸収に影響を与えるという知識は正しいが、具体的な影響(促進か阻害か)を混同しやすい。混同注意:牛乳や乳製品が薬の吸収に与える影響は、薬の種類によって異なるため、個別の薬効群と食品の相互作用を正確に理解する必要があります。
- 2. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と炭酸飲料の組み合わせによって吸収が早まるという明確なエビデンスはありません。むしろ、NSAIDsは胃腸障害のリスクがあるため、胃に刺激を与える炭酸飲料との併用は推奨されません。正しくは:非ステロイド性抗炎症薬は炭酸飲料の摂取によって吸収が早まるというエビデンスはない。選びやすい理由:酸性飲料が一部の薬の溶解性を高め、吸収を促進するケースがあるという誤解から選んでしまう可能性がある。混同注意:NSAIDsは胃腸障害を起こしやすい薬であり、炭酸飲料は胃への刺激となることがあるため、併用は避けるべきです。
- 3. 正解。抗ヒスタミン薬には鎮静作用や眠気を催す副作用があり、アルコールも中枢神経抑制作用を持つため、併用するとこれらの作用が増強され、眠気、ふらつき、集中力低下などの有害事象が強く出現しやすくなります。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:アルコールと薬の併用は一般的に避けるべきという基本的な知識から選びやすいが、具体的な作用機序を理解していると確信度が上がる。混同注意:抗ヒスタミン薬の種類によっては、眠気の副作用が少ないもの(第二世代抗ヒスタミン薬)もありますが、アルコールとの併用は避けるべきです。
- 4. 納豆に含まれるビタミンK2は、ワルファリンなどの抗凝固薬の効果を減弱させることが知られていますが、キサンチン系気管支拡張薬(テオフィリンなど)の作用や有害事象に直接影響を与えるという明確な根拠はありません。正しくは:キサンチン系気管支拡張薬は納豆の摂取によって副作用が出現しやすくなるという根拠はない。選びやすい理由:特定の食品が薬に影響を与えるという知識は正しいが、ワルファリンと納豆の相互作用を他の薬にも当てはめてしまう誤解。混同注意:納豆と薬の相互作用で有名なのはワルファリンですが、他の薬との相互作用は個別に確認が必要です。キサンチン系薬剤ではカフェイン含有食品との併用による中枢神経興奮作用の増強に注意が必要です。
国試ポイント
薬と食品の相互作用に関する基本的な知識が問われています。特に、薬の効果を増強または減弱させる食品、あるいは有害事象を増強させる食品の組み合わせを理解しているかが重要です。
混同注意
食品と薬の相互作用は多岐にわたるため、個々の薬効群と特定の食品の組み合わせについて正確な知識がないと、誤った選択をしてしまう可能性があります。特に、ある薬と食品の組み合わせでよく知られた相互作用(例:ワルファリンとビタミンK含有食品)を、他の薬にも適用してしまう誤解に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
薬剤師や医師への相談が必要な薬と食品の組み合わせを判断できるか。患者への適切な服薬指導ができるか。
関連知識
薬物相互作用の種類(薬物-薬物、薬物-食品)、薬物の吸収・代謝・排泄に影響を与える因子、肝代謝酵素(CYP)、P糖蛋白など。具体的な薬物-食品相互作用の例として、グレープフルーツジュースとカルシウム拮抗薬、リチウムと塩分摂取量、MAO阻害薬とチラミン含有食品など。