Aちゃん(7歳、女児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に来院した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、Aちゃんは体温36.6℃、呼吸数20/分、心拍数84/分、血圧130/80 mmHgで、床上安静の指示が出された。 Aちゃんの入院時の看護計画で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
溶連菌感染後急性糸球体腎炎の急性期には、体液量の増加により高血圧をきたしやすく、高血圧性脳症などの合併症にも注意が必要です。入院時に血圧130/80 mmHgと高値であり、1日3回など定期的な血圧測定を看護計画に入れます(公式正答2)。急性期は水分・塩分を制限し、食事は治療食とするため持ち込みは許可しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性糸球体腎炎では、腎機能の低下により水分排泄が阻害され、体液過剰になるリスクがあります。そのため、水分摂取は制限されることが多く、積極的な水分補給を促すのは適切ではありません。正しくは:水分摂取量を管理し、必要に応じて制限する。選びやすい理由:発熱時や脱水傾向があれば水分摂取は重要であるため、一般的な看護ケアとして選びたくなる。混同注意:他の疾患における一般的な水分補給の重要性と混同しやすい。
- 2. 正解。急性期は高血圧をきたしやすく、入院時も130/80 mmHgと高値のため、1日3回など定期的に血圧を測定して変化を観察します。選びやすい理由:一見、非常に基本的な観察項目であるため、これだけでは不十分かと思ってしまうことがある。混同注意:他の観察項目(尿量、体重など)も重要であるため、どれが最も優先度が高いか迷うことがある。
- 3. 急性糸球体腎炎では、腎臓への負担を軽減するために、塩分、タンパク質、カリウムなどの摂取制限が必要となる場合があります。病院食はこれらの制限に基づいて管理されているため、許可なく食事を持ち込むことは治療の妨げになる可能性があります。正しくは:食事制限の必要性を説明し、持ち込みは原則禁止とする。許可する場合は、医療スタッフが内容を確認する。選びやすい理由:患者の満足度向上や食欲増進のために、柔軟な対応をしたいという思いから選んでしまう。混同注意:アレルギー対応や嗜好に配慮する場合と混同しやすい。
- 4. 急性糸球体腎炎は腎臓の炎症性疾患であり、腰痛を伴うことがありますが、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)は腎血流量を低下させる作用があり、腎機能が悪化するリスクがあるため、原則として避けるべきです。特に腎機能が低下している場合は禁忌となります。正しくは:腰痛がある場合は、安楽な体位の保持や温罨法など、腎臓に負担をかけない方法で疼痛緩和を図る。薬剤を使用する場合は、医師の指示に従い腎臓に影響の少ないものを選択する。選びやすい理由:腰痛の訴えがあれば、鎮痛のために消炎鎮痛薬を使用することは一般的であるため、選びたくなる。混同注意:一般的な腰痛治療と腎疾患患者の疼痛管理が異なることを理解していないと選びやすい。
国試ポイント
急性糸球体腎炎の病態生理と、それに基づく看護計画の立案能力が問われています。特に、腎疾患患者における水・電解質管理、血圧管理、食事管理、薬剤管理の基本原則を理解していることが重要です。
混同注意
水分摂取の制限や食事内容の管理も重要ですが、高血圧は急性期の合併症として頻度が高く、定期的な血圧測定は基本的な観察項目となります。他の選択肢は、病態に合わない、あるいは腎臓に負担をかける可能性があるため不適切です。
次に同じ論点が出たら
血圧測定の結果に応じて、降圧薬の調整や安静度、水分・塩分制限の再評価を行う。
関連知識
急性糸球体腎炎の主な症状(血尿、蛋白尿、浮腫、高血圧)、治療(安静、食事療法、薬物療法)、合併症(急性腎不全、心不全、脳症)。