内臓の痛みを引き起こすのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
内臓痛は、内臓壁の伸展、牽引、虚血、炎症、痙攣などによって生じる、鈍く持続的な痛みが特徴です。選択肢1の虚血と選択肢4の平滑筋の過度な収縮は、これらに該当し、典型的かつ主要な内臓痛の原因となります。虚血は酸素不足による組織障害、過度な収縮は内腔圧の上昇や血流障害を引き起こし、いずれも内臓の痛覚受容体を刺激します。一方、氷水や白湯の摂取は通常の生理的な刺激であり、内視鏡によるポリープ切除は内臓の痛覚神経の分布特性から通常強い痛みを伴いません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。内臓の虚血は、酸素不足により組織が障害され、痛み物質が放出されることで強い内臓痛を引き起こします。特に心臓の虚血(狭心症や心筋梗塞)は典型的な内臓痛です。
- 2. 冷たい飲み物の摂取は、食道や胃の粘膜に一時的な刺激を与えることはありますが、通常は内臓痛の主要な原因とはなりません。痛みを引き起こすほどの組織損傷や機能障害は発生しません。正しくは:氷水の摂取自体は内臓痛の直接的な原因とはなりにくい。選びやすい理由:冷たい刺激が不快感や一時的な痙攣を引き起こすことがあり、痛みと混同しやすい。混同注意:刺激による不快感と病的な痛み
- 3. 48℃は比較的温かいと感じる温度ですが、熱傷を引き起こすほどではありません。通常、内臓に痛みを感じるような組織損傷や機能異常を引き起こす温度ではありません。正しくは:48℃程度の白湯の摂取は内臓痛の原因とはならない。選びやすい理由:熱すぎるものによる刺激と混同しやすいが、この温度は通常問題ない。混同注意:熱傷を伴うような極端な温度と通常の温かさ
- 4. 正解。胃腸などの内臓を構成する平滑筋が過度に収縮すると、血流が阻害されたり、管腔内圧が急激に上昇したりすることで、強い内臓痛(例:胆石仙痛、腎結石仙痛、腸管の疝痛)が生じます。
- 5. 内臓には体性痛覚のような鋭い痛みを感じる神経が少ないため、ポリープ切除のように粘膜を切除する処置では、通常痛みを感じることはほとんどありません。鈍い圧迫感や違和感はあっても、内臓痛の典型的な原因ではありません。正しくは:内視鏡によるポリープ切除は、内臓痛の主要な原因とはならない(内臓の痛みを感じる神経が少ないため)。選びやすい理由:切除という行為が痛みを伴うと直感的に考えやすいが、内臓の痛覚受容体の特性を理解していないと誤りやすい。混同注意:皮膚切開のような体性痛と、内臓の痛み(特に粘膜の切除)
国試ポイント
内臓痛の発生メカニズムと、その原因となる具体的な状態について問う問題。特に、体性痛との違いや、内臓の痛覚受容体の特性を理解しているかが重要。
混同注意
体性痛(鋭く局在がはっきりしている)と内臓痛(鈍く漠然としている、関連痛を伴うことがある)の違い。内臓の物理的な刺激(伸展、牽引など)と、化学的な刺激(炎症物質など)。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、内臓痛の具体的な疾患名(例:胆石症、腎結石、急性膵炎、心筋梗塞)や、関連痛の部位と原因臓器の組み合わせが問われる可能性があります。また、内臓の炎症や腫瘍による痛みのメカニズムも確認すると良いでしょう。
関連知識
内臓痛の特性(鈍い、持続性、局在が不明瞭、関連痛、自律神経症状の合併)、痛覚の伝達経路(交感神経、副交感神経)、疼痛の種類(体性痛、内臓痛、神経因性疼痛、心因性疼痛)。