脳死の状態はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
脳死の定義において、脳幹機能の不可逆的な停止は重要な要素であり、自発呼吸の停止はその具体的な兆候です。呼吸中枢が脳幹にあるため、脳幹機能が完全に失われると自発呼吸はできなくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳死状態では、脳幹の機能が完全に失われているため、光に対する瞳孔反射が消失し、通常は散瞳(瞳孔が開いた状態)を呈します。正しくは:散瞳がみられる。選びやすい理由:意識障害の他の状態では縮瞳が見られることがあるため、混同しやすいです。混同注意:薬物中毒や橋出血による縮瞳と混同する可能性があります。
- 2. 脳死の診断基準では、脳の全機能が停止していることを示すため、脳波は平坦(等電位脳波)であることが求められます。徐波は重度の意識障害や脳障害でみられますが、脳活動が完全になくなっている状態ではありません。正しくは:脳波は平坦である。選びやすい理由:重度の脳障害のイメージから、脳波異常があるという点で関連づけてしまいやすいです。混同注意:昏睡や深い麻酔状態での脳波と混同する可能性があります。
- 3. 正解。脳死の診断基準の一つに、脳幹機能の不可逆的な喪失があり、特に呼吸中枢が機能しないため、自発呼吸は停止します。人工呼吸器を外して二酸化炭素が増加しても、呼吸運動が全く見られないことを確認します(無呼吸テスト)。
- 4. 脳死状態では、大脳皮質や脳幹機能が完全に停止しているため、意識的な痛みを感じることも、痛み刺激に対して意図的な逃避反応を示すこともありません。ただし、脊髄反射による不随意な動き(深部腱反射など)が見られることはあります。正しくは:痛み刺激に対する意図的な逃避反応は見られない。選びやすい理由:脊髄反射と混同し、何らかの身体反応があるため、完全な生命停止ではないと誤解しやすいです。混同注意:脊髄反射による不随意運動と意図的な逃避反応を混同する可能性があります。
国試ポイント
脳死の診断基準、特に不可逆的な脳機能の停止、そして脳幹機能の具体的な喪失症状について問われることが多いです。瞳孔反射の消失、自発呼吸の停止、脳波の平坦化などが中心となります。
混同注意
植物状態、意識不明(昏睡)、重度意識障害など、他の意識レベルの障害と脳死を混同しやすいです。これらは脳機能の一部が残存している可能性がありますが、脳死は脳機能の全停止を意味します。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、脳死と植物状態の明確な違い、臓器提供における脳死の法的・倫理的側面、または脳死判定における各検査項目の具体的な所見(例:脳波、脳血流、脳幹反射)について問われる可能性があります。
関連知識
脳死の診断基準(JDDODR: Japan's Diagnostic Criteria for Death by Organ Donation-Related),臓器移植法における脳死の取り扱い,倫理的側面,患者・家族への説明。