正常新生児の卵円孔の機能的閉鎖に関する説明で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
出生後、肺の拡張と呼吸の開始により肺血管抵抗が低下し、肺血流が増加します。これにより、左心房へ戻る血液量が増加し、左心房圧が上昇します。一方、胎盤からの血液供給が途絶えることで右心房への血液還流が減少し、右心房圧が低下します。この結果、左心房圧が右心房圧を上回り、卵円孔弁が左心房側に圧着されることで、卵円孔は機能的に閉鎖します。
選択肢ごとの解説
- 1. 動脈血酸素分圧(PaO2)の上昇は、主に動脈管の機能的閉鎖を促進する主要因です。卵円孔の機能的閉鎖は、心房内圧の変化が主因となります。正しくは:卵円孔の機能的閉鎖は、肺血流の増加による左心房圧の上昇によって起こります。選びやすい理由:出生後の新生児の循環において酸素化が非常に重要であるため、PaO2の上昇がすべての胎児シャントの閉鎖に関与すると誤解しやすいです。混同注意:動脈管の機能的閉鎖の要因(PaO2上昇)と、卵円孔の機能的閉鎖の要因を混同しやすいです。
- 2. 正解。出生後、肺が拡張して呼吸が始まると、肺血管抵抗が低下し、肺への血流が劇的に増加します。この結果、左心房に戻る血液量が増え、左心房圧が上昇します。右心房圧は胎盤循環の停止により低下するため、左右心房の圧差によって卵円孔弁が押し付けられ、機能的に閉鎖します。
- 3. 卵円孔の機能的閉鎖は、出生直後の肺呼吸開始と肺血流増加に伴い、通常は生後数時間から数日以内、遅くとも1週間以内に起こります。数週間後というのは、解剖学的閉鎖の期間と混同している可能性があります。正しくは:卵円孔の機能的閉鎖は、出生直後から数日以内に起こります。選びやすい理由:卵円孔の解剖学的閉鎖には数ヶ月から1年かかることがあるため、「閉鎖には時間がかかる」という漠然とした知識から選んでしまう可能性があります。混同注意:卵円孔の機能的閉鎖(圧の変化による一時的な閉鎖)と、解剖学的閉鎖(組織的な癒着による永久的な閉鎖)の時期を混同しやすいです。
- 4. 卵円孔と動脈管は、それぞれ異なるメカニズムで閉鎖します。動脈管の閉鎖はPaO2の上昇やプロスタグランジン濃度の低下が主な要因であり、卵円孔の閉鎖に直接的な因果関係はありません。これらは同時期に閉鎖しますが、独立したプロセスです。正しくは:卵円孔の閉鎖は、左右心房圧の差によって起こります。選びやすい理由:どちらも胎児循環から成人循環への移行時に閉鎖する重要なシャントであるため、相互に密接な因果関係があるように感じられることがあります。混同注意:胎児循環の主要なシャントである動脈管と卵円孔の閉鎖メカニズムを混同したり、閉鎖の順序や相互関係を誤解したりしやすいです。
国試ポイント
新生児の循環器系の生理的変化、特に胎児循環から成人循環への移行における卵円孔と動脈管の閉鎖メカニズムは、国家試験で頻出の重要項目です。閉鎖の主要因や時期、それに伴う血行動態の変化を正確に理解しているかが問われます。他の胎児シャント(動脈管)の閉鎖機序との違いを識別できる能力が求められます。
混同注意
卵円孔の機能的閉鎖と解剖学的閉鎖の時期、および動脈管の閉鎖要因と卵円孔の閉鎖要因を混同しやすいです。特に、PaO2の上昇が動脈管閉鎖の主要因である一方、卵円孔閉鎖の主要因は肺血流増加による心房圧の変動である点を明確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、卵円孔と動脈管のそれぞれの機能的閉鎖の主要因を正確に識別できるか、またその時期(機能的閉鎖と解剖学的閉鎖)を区別できるかがポイントになります。例えば、「動脈管の機能的閉鎖の要因は?」や「出生直後に起こる循環の変化で正しいのはどれか?」といった形式が考えられます。
関連知識
動脈管の機能的閉鎖は、出生後のPaO2の上昇とプロスタグランジンE2濃度の低下が主な要因です。胎児循環では、肺循環が未発達で、胎盤がガス交換を担い、卵円孔、動脈管、静脈管といったシャントが存在します。出生後、これらのシャントが閉鎖し、成人型の循環に移行します。心房中隔欠損症は卵円孔が閉鎖しない病態(卵円孔開存)とは異なり、組織的な欠損を指します。卵円孔開存は生理的であり、通常は問題になりませんが、右心系の負荷が増大すると再開通することがあります。