自殺対策基本法について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
自殺対策基本法第15条において、毎年3月を「自殺対策強化月間」と定め、集中的に自殺対策を推進することとされています。これは国民の自殺対策に対する関心と理解を深めることを目的としています。したがって、この記述が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。自殺対策基本法第15条において、自殺対策の取り組みを強化するための「自殺対策強化月間」が設けられることが明記されています。日本では毎年3月がこれに該当します。
- 2. ゲートキーパーの養成は自殺対策において非常に重要な活動であり、国もその推進に努めていますが、自殺対策基本法において国の「責務」として「ゲートキーパーの養成」自体が具体的に明記されているわけではありません。法律はより広範な人材育成や国民への啓発を定めています。正しくは:国の責務として、自殺対策を担う専門人材の育成や、国民の理解を促進するための啓発活動を行うことを定めている。選びやすい理由:ゲートキーパーは自殺対策の中核的な役割を担うため、その育成が国の重要な責務であることは自明であり、本法に明記されていると誤解しやすい。混同注意:自殺対策基本法が自殺対策全般の根拠法であるため、具体的な取り組みもすべて明記されていると錯覚しやすい。
- 3. 地域自殺対策推進センターの設置は、自殺対策基本法第12条に基づき、主に都道府県がその整備に努めるべきものとされています。民間団体が設置主体であるとは規定されていません。正しくは:都道府県が、地域における自殺対策の推進拠点として、地域自殺対策推進センターの設置に努めることを定めている。選びやすい理由:自殺対策には多くの民間団体が協力しており、地域の拠点活動に民間が深く関わっているため、その設置主体が民間であるかのように思われがちです。混同注意:地域での自殺対策活動に民間団体が果たしている役割と、法律上の設置主体に関する規定とを混同しやすい。
- 4. 職場のハラスメント防止は、労働者の健康と安全を守る上で非常に重要ですが、これは主に労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)など、他の労働関連法規によって事業主に義務付けられています。自殺対策基本法は自殺対策全般について定めるものであり、個別のハラスメント防止策を直接義務付けるものではありません。正しくは:自殺対策基本法は、職場環境の整備を含め、国民が心身ともに健康を保持できる社会環境の実現を目指すものです。ハラスメント防止はその一環として重要ですが、直接的な義務付けは他法によるものです。選びやすい理由:職場でのハラスメントが自殺の原因となるケースが多いことから、自殺対策の根幹をなす本法に直接的な義務が明記されていると考えるのは自然なことです。混同注意:労働安全衛生法や労働施策総合推進法など、労働者の安全・健康を定める他の法律における事業主の義務と混同しやすいです。
国試ポイント
自殺対策基本法は、自殺対策の基本的な理念、国・地方公共団体・国民の責務、および具体的な施策の方向性を示す法律です。特に、基本的な理念、具体的な強化月間や相談体制の整備といった具体的な条文の内容が問われやすいです。各条文の趣旨を正確に理解しているかが試されます。他の労働法規や福祉関連法規との区別も重要です。
混同注意
自殺対策基本法の内容と、他の関連法規(労働施策総合推進法、精神保健福祉法など)における規定、あるいは法律に基づき実施される具体的な施策(例:ゲートキーパー養成)との区別が曖昧になりやすい。また、国と地方公共団体、民間団体の役割分担も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に自殺対策基本法に関する問題が出た場合は、法律の基本的な理念(自殺を個人の問題としない)、国・地方公共団体の具体的な責務(計画策定、相談体制整備、人材育成など)、そして「自殺対策強化月間」や「地域自殺対策推進センター」など、具体的な名称やその役割、設置主体が問われる可能性が高いです。また、他の労働・福祉関連法規との横断的な理解が求められることもあります。特に、改正された点や、具体的な数値目標(例:自殺死亡率の減少目標)にも注目しましょう。
関連知識
自殺対策基本法は2006年に施行され、その後2016年に改正されました。この法律は、自殺を個人の問題として捉えるのではなく、社会全体で取り組むべき問題と位置づけています。主な内容として、基本的理念、国・地方公共団体の責務、自殺対策推進計画の策定、相談体制の整備、実態の把握、自殺対策強化月間の設定などがあります。特に、多重債務者や精神疾患患者など、自殺のリスクが高い人々への支援が強化されています。ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげ、見守る人のことです。