人工肛門を造設した患者へのストーマケアの指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
選択肢2: 皮膚保護材の溶解度合いを観察することは、便の漏れや皮膚トラブルの早期発見につながり、適切なケアの判断に不可欠です。選択肢5: 腹壁のしわを伸ばすことで、装具が皮膚に均一に密着し、便の漏れや皮膚トラブルの発生を防ぐことができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 便が漏れていなくても、皮膚トラブルの予防や衛生を保つため、定期的な装具交換が必要です。通常は2〜3日ごとが推奨されます。正しくは:装具は、便が漏れていなくても定期的に交換が必要です。選びやすい理由:漏れていないのであれば交換不要と安易に考えてしまいがちですが、衛生面や皮膚保護の観点から間違いです。混同注意:装具交換の頻度は、便漏れの有無だけでなく、皮膚の状態や装具の種類によっても変わることを理解していないと誤る可能性があります。
- 2. 正解。皮膚保護材の溶解の程度は、ストーマ周囲皮膚への便の接触状況や、装具の密着度を判断する重要な指標です。溶解が進みすぎている場合は、便の漏れや皮膚トラブルのリスクが高いと考えられます。選びやすい理由:特別な観察点に見えないかもしれませんが、皮膚保護材の溶解は皮膚トラブルの前兆を知る上で非常に重要です。混同注意:単に皮膚保護材の状態を見るだけでなく、溶解の程度が何を示唆しているのかを理解していないと、その重要性を見過ごすことがあります。
- 3. ドライヤーの熱風はストーマや周囲の皮膚に刺激を与え、損傷させる可能性があります。また、乾燥しすぎると皮膚保護材の密着が悪くなることもあります。優しく拭き取るか、自然乾燥が基本です。正しくは:洗浄後のストーマは、柔らかいタオルなどで優しく水分を拭き取るか、自然乾燥させます。選びやすい理由:入浴後に髪を乾かすように、ストーマもドライヤーで乾かせば衛生的だと誤解する可能性があります。混同注意:粘膜であるストーマと一般皮膚との違い、熱や乾燥に対する感受性の違いを認識していないと、この選択肢を選んでしまう可能性があります。
- 4. 装具の穴をストーマと全く同じ大きさにしてしまうと、ストーマを圧迫したり、擦れたりして損傷するリスクがあります。また、ストーマ周囲の皮膚保護材がストーマに接触することで、溶解を早める原因にもなります。ストーマより1〜2mm程度大きくカットするのが適切です。正しくは:装具の開口部は、ストーマより1〜2mm程度大きくカットします。選びやすい理由:ぴったりと密着させることで漏れを防げると考えてしまいがちですが、圧迫や摩擦による損傷のリスクがあります。混同注意:ストーマ周囲の皮膚を保護しつつ、ストーマ自体を損傷させないための適切な開口部サイズに関する知識が不足していると誤解します。
- 5. 正解。腹壁にしわがあると、装具が皮膚に密着しにくくなり、便の漏れや皮膚トラブルの原因となります。装具を貼る前にしわを伸ばして平らにすることで、密着性を高め、漏れを防ぎます。選びやすい理由:簡単な動作に見えますが、装具の密着性を確保し、漏れや皮膚トラブルを防ぐ上で非常に重要なポイントです。混同注意:ストーマケアは、単に装具を貼るだけでなく、皮膚の状態や腹部の形状を考慮した細やかな配慮が必要であることを理解していないと、その重要性を見過ごします。
国試ポイント
人工肛門造設患者へのストーマケアにおいて、皮膚保護の重要性と具体的なケア方法に関する理解が問われています。特に、装具の適切な使用方法と、皮膚トラブルを予防・早期発見するための観察点が重要です。
混同注意
装具交換の頻度や、装具のカットサイズ、洗浄後の乾燥方法など、基本的なケア手順に関する誤解を誘う選択肢が含まれています。
次に同じ論点が出たら
今後、ストーマ装具の種類や患者の活動レベルに応じた具体的なケア指導について学習を深める必要があります。
関連知識
ストーマの種類(コロストミー、イレオストミー、ウロストミー)、ストーマ周囲皮膚炎の症状と原因、皮膚保護材の種類と選択、装具の種類と選び方、生活指導(食事、入浴、運動)。