胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
胎児循環では、胎盤で酸素と栄養が交換されます。臍静脈は、この胎盤から酸素を最も豊富に含む血液を胎児の体内へと運びます。この血液はまず肝臓を通過し、一部は静脈管(Ductus venosus)を介して直接下大静脈に合流し、胎児の心臓へと供給されます。そのため、胎児の全身の血管の中でも、臍静脈が最も酸素を多く含む血液が流れる部位となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 胎児の肺は機能していないため、肺動脈には酸素が少ない血液が流れています。これは体循環から心臓に戻ってきた血液であり、肺を迂回して大動脈へ送られます。正しくは:胎児の肺動脈には、体循環を終え、酸素飽和度が低い血液が流れています。選びやすい理由:成人の循環を連想すると選択肢として考慮するかもしれませんが、胎児循環とは機能が全く異なります。混同注意:成人の循環における肺動脈の機能(右心室から肺へ血液を送る)と混同しやすいですが、胎児では肺が機能していない点が重要です。
- 2. 胎児の肺はガス交換を行わないため、肺静脈には少量の血液しか流れず、その酸素濃度も低いです。正しくは:胎児の肺静脈には、酸素化されていない少量の血液が流れます。選びやすい理由:成人の肺静脈は酸素化された血液を運ぶため、混同して選びやすいかもしれません。混同注意:成人の循環における肺静脈の機能(肺で酸素化された血液を左心房へ送る)と混同しやすいです。
- 3. 臍動脈は胎児から胎盤へ、酸素が少なく老廃物を含む血液を運ぶ血管です。そのため、酸素を最も多く含む血液は流れていません。正しくは:臍動脈は、胎児の体から胎盤へ向かう酸素濃度の低い血液を運びます。選びやすい理由:「臍」という言葉から、胎盤との関連性を想像し、重要な血管だと感じて選びやすいかもしれません。混同注意:臍動脈と臍静脈の役割が逆であることと混同しやすいです。動脈という言葉から動脈血を連想しやすいですが、臍動脈は静脈血を運ぶ「例外」です。
- 4. 正解。臍静脈は胎盤で酸素と栄養を受け取った、最も酸素飽和度の高い血液を胎児の体へ運ぶ血管です。この血液は、肝臓を通り、静脈管を経て下大静脈へ合流し、心臓へと向かいます。正しくは:臍静脈は、胎盤から胎児へ向かう、酸素を最も豊富に含む血液を運びます。
国試ポイント
胎児循環の特殊性、特に酸素化された血液が胎盤からどこへ運ばれるかを理解しているか問う問題です。成人循環との違いを明確に区別し、各血管の役割を正確に覚える必要があります。
混同注意
臍動脈と臍静脈の役割の混同。胎児循環における肺動脈や肺静脈の機能の混同。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各シャント(卵円孔、動脈管、静脈管)がどの血液をどこへ流すか、またそれぞれのシャントが閉鎖しなかった場合の疾患(例:動脈管開存症)を問われる可能性があります。
関連知識
胎児循環の経路(臍静脈→静脈管→下大静脈→右心房→卵円孔→左心房→左心室→大動脈、または右心房→右心室→肺動脈→動脈管→大動脈)、卵円孔、動脈管、静脈管の役割と閉鎖後の名称(卵円窩、動脈靭帯、静脈靭帯)。