体温低下を引き起こすのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
甲状腺ホルモンは基礎代謝を促進し、熱産生を増加させる主要なホルモンです。甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの分泌が不足するため、基礎代謝が低下し、熱産生が不十分となり、体温低下を引き起こします。
選択肢ごとの解説
- 1. カテコラミン(アドレナリンやノルアドレナリンなど)の分泌が促進されると、末梢血管が収縮し、心拍数や代謝が亢進するため、体温は上昇傾向になります。これは体を温める反応です。正しくは:カテコラミンの分泌促進は体温を上昇させる。選びやすい理由:寒冷刺激によってカテコラミンが分泌されるという事実から、体温低下と直接結びつけてしまうかもしれない。混同注意:カテコラミンは熱産生を促進するホルモンであり、体温を上昇させる効果がある。
- 2. 正解。甲状腺ホルモンは基礎代謝を促進し、熱産生を増加させる作用があります。その分泌が低下すると、基礎代謝が減少し、熱産生が十分にできなくなり、結果として体温低下(低体温)を引き起こします。
- 3. 副甲状腺ホルモン(PTH)は主にカルシウムとリンの代謝を調節するホルモンであり、体温調節には直接的な影響を与えません。分泌不足は低カルシウム血症を引き起こしますが、体温低下とは関連が薄いです。正しくは:副甲状腺ホルモンの分泌不足は体温調節には直接関係しない。選びやすい理由:ホルモン名の類似性から、甲状腺ホルモンと混同する可能性がある。混同注意:PTHはカルシウム恒常性に関与し、体温調節機能とは異なる。
- 4. 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、副腎皮質からのコルチゾールなどの分泌を促すホルモンです。コルチゾールは糖代謝、脂質代謝、タンパク質代謝に関与し、抗炎症作用などがありますが、体温調節に直接的な影響を及ぼすことは稀です。分泌亢進が直接的な体温低下の原因になることはありません。正しくは:ACTHの分泌促進は体温に直接的な影響を与えない。選びやすい理由:ストレス反応や全身状態の悪化と関連するホルモンであるため、体温異常と結びつけてしまう可能性がある。混同注意:ACTHは副腎皮質ホルモン分泌を促すが、体温調節は主要な役割ではない。
国試ポイント
体温調節に関わるホルモンの種類とその機能について理解しているかが問われています。特に、甲状腺ホルモンが基礎代謝と熱産生に深く関与している点が重要です。
混同注意
カテコラミンは寒冷刺激で分泌され熱産生を促しますが、その分泌亢進は体温を上昇させる方向へ働きます。副甲状腺ホルモンと副腎皮質刺激ホルモンは体温調節とは直接的な関連が薄いため、混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
体温上昇を引き起こすのはどれか、という逆の問いや、特定の疾患(例:甲状腺機能亢進症)でみられる体温変化についての問題も考えられます。
関連知識
甲状腺機能低下症の主な症状として、倦怠感、浮腫、徐脈、便秘、皮膚乾燥、そして低体温があります。これらの症状はすべて基礎代謝の低下と関連しています。また、体温調節中枢は視床下部にあり、自律神経系や内分泌系(特に甲状腺ホルモン、カテコラミンなど)と連携して体温を一定に保っています。