Aさん(25歳、男性)は、オートバイの単独事故による交通外傷で救急病院に入院した。外傷部位は左上下肢で、左脛骨骨折に対しては長下肢ギプス固定をした。左前腕部は不全切断で、再接着術が行われた。 下肢は長下肢ギプスから膝蓋腱支持ギプスに変更され、左上肢は義肢が装着されて自宅へ退院することになった。Aさんに対する退院指導で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
下肢ギプスと義肢の装着という状況において、自宅での生活へ移行するためには、義肢を適切に使いこなし、日常生活動作を再獲得するための計画的な訓練が最も重要です。リハビリテーション専門職と連携し、具体的な訓練内容や目標を設定して指導することが求められます。
選択肢ごとの解説
- 1. 退院指導の目的は、可能な限り自立した生活を送れるよう支援することであり、適切な義肢の使用やリハビリテーションによって外出も可能になります。一律に外出を控えるよう指導するのは適切ではありません。正しくは:転倒リスクなどを考慮しつつ、外出時の注意点や支援体制について具体的に指導する。選びやすい理由:受傷やギプス、義肢装着という状況から、安全を最優先し外出を制限すべきだと考えるかもしれない。混同注意:安全確保と活動制限を混同している可能性がある。
- 2. 義肢の装着初期には、自身の体の一部として受け入れ、機能を習得するために義肢への意識的な注意と訓練が必要です。幻肢痛などがある場合は対処法を指導しますが、意識を集中しないよう求めるのは不適切です。正しくは:義肢を積極的に活用し、動作に慣れるために意識的に訓練するよう促す。選びやすい理由:幻肢痛や違和感がある場合に、それに囚われないようにという意味合いで選んでしまうかもしれない。混同注意:心理的苦痛への配慮と、機能習得のための意識的な努力を混同している可能性がある。
- 3. 正解。義肢を装着した患者が日常生活動作を再獲得するためには、義肢に慣れ、正しく活用するための計画的な動作訓練が不可欠です。退院後もリハビリテーションを継続することが重要であり、適切な指導です。
- 4. 受傷や義肢装着により、受傷前と全く同じADLを達成することは難しい場合が多く、現実的な目標ではありません。義肢を活用した新たなADLの獲得や、残された機能を最大限に活かした自立を目指すことが重要です。正しくは:義肢や残存機能を活用し、現在の身体状況に応じた自立した日常生活動作ができることを目標に指導する。選びやすい理由:ADLの回復を目標とすることは正しいと考えるが、具体的なレベル設定が現実的ではないことに気づかない可能性がある。混同注意:ADLの自立と、受傷前の完全な回復を混同している可能性がある。
国試ポイント
義肢装着患者の退院指導における、日常生活動作の再獲得に向けた具体的なアプローチと、現実的な目標設定の理解が問われています。
混同注意
義肢を使用する患者への心理的ケアと、機能回復のための具体的な指導内容を混同しないように注意が必要です。また、ADL回復の目標設定において、理想と現実のバランスを理解しているかが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の状況が出題された場合、患者の残存機能や生活環境を考慮し、最も現実的かつ自立を促すような具体的な支援や訓練の継続を指導する選択肢を選ぶ。
関連知識
義肢の種類と機能、義肢装着後のリハビリテーションの段階と内容、日常生活での義肢管理、幻肢痛や断端痛への対応、障害受容のプロセス、自宅環境の整備、社会資源の活用。