排泄行動が自立している入院中の男性高齢者が、夜間の排尿について「夜は何度もトイレに行きたくなります。そのたびにトイレまで歩くのは疲れます」と訴えている。この患者の看護で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
排泄機能が自立している高齢患者が夜間の頻尿で疲労を訴えている場合、その機能を維持しつつ負担を軽減する方法が最も適切です。夜間のベッドサイドでの尿器使用は、患者が自分で排泄できる能力を活かしつつ、頻繁な移動の必要性をなくし、疲労軽減と転倒リスクの低減に繋がります。これにより、患者の尊厳も保たれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 排泄機能が自立している患者に対し、安易におむつを使用すると、残存能力の低下や自尊心の喪失につながる可能性があります。正しくは:排泄機能の維持を支援しつつ、夜間の排泄負担を軽減する他の方法を検討します。選びやすい理由:夜間の転倒リスク軽減や看護の手間削減を考えると、一時的な解決策として魅力的かもしれませんが、患者の尊厳や機能維持を考慮すると適切ではありません。混同注意:失禁がある場合や、排泄機能が著しく低下している場合と混同しやすいですが、本事例では自立していると明記されています。
- 2. 正解。排泄機能が自立している患者の尊厳を保ちつつ、夜間の頻繁な移動による疲労を軽減し、転倒リスクも低減できます。患者の訴えに対し、残存能力を活かした現実的な解決策です。
- 3. 水分摂取の過度な制限は、脱水症状や便秘、尿路感染症などの健康リスクを引き起こす可能性があります。特に高齢者では脱水のリスクが高いです。正しくは:必要に応じた適度な水分摂取は維持しつつ、摂取のタイミングや内容を工夫することを検討します。選びやすい理由:夜間の排尿回数を減らす目的としては理解できますが、健康上のリスクを伴うため適切ではありません。混同注意:心不全や腎不全など、病状により水分制限が必要なケースと混同しやすいですが、一般的には推奨されません。
- 4. 膀胱留置カテーテルは、尿路感染症のリスクが非常に高く、長期留置は尿道損傷や膀胱機能低下にもつながります。排泄自立の患者に安易に適用する処置ではありません。正しくは:膀胱留置カテーテルは、尿閉や重篤な排尿障害、重症患者の正確な尿量測定など、医学的に明確な適応がある場合にのみ使用を検討します。選びやすい理由:排泄の手間が全くなくなるため、看護師の負担軽減という観点からは一時的に魅力的に見えるかもしれませんが、患者への侵襲が大きく、感染リスクが高いため誤りです。混同注意:手術前後や意識障害など、一時的あるいは継続的に排泄管理が困難な状況と混同しやすいですが、本事例は自立排泄可能な患者です。
国試ポイント
高齢患者の排泄援助において、残存機能の維持と尊厳の尊重を考慮した、適切な援助方法を選択できるかが問われています。安易な排泄援助具の使用や侵襲的処置の適用を避ける判断が重要です。
混同注意
排泄の完全な介助が必要な場合(おむつ)、水分制限が必要な疾患がある場合(水分制限)、尿閉などの緊急時(カテーテル)と混同しやすいですが、本問では『自立している』という条件が鍵となります。
次に同じ論点が出たら
同様の状況で次に問われるとしたら、患者のADLレベルや認知機能に応じた排泄援助の選択肢(例:ポータブルトイレの活用、トイレまでの動線確保、服薬時間の調整など)や、排泄援助における倫理的な側面(尊厳の尊重)が問われる可能性があります。
関連知識
高齢者の排泄ケアの原則(自立支援、残存機能の活用、尊厳の尊重)、夜間頻尿の原因と対処法、尿器・おむつ・カテーテル使用の適応とリスク。