良質の医療を受ける権利を宣言しているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
リスボン宣言は、世界医師会が1981年に採択した「患者の権利に関するリスボン宣言」であり、その第一条で「患者は、いかなる差別も受けることなく、適切かつ良質な医療を受ける権利を有する」と明確に定めています。これは患者の権利の国際的な基準の一つとして広く認識されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。リスボン宣言(1981年採択)は、患者の権利に関する国際的な文書であり、その中に「良質な医療を受ける権利」が明確に謳われています。医療を受ける権利、情報に関する権利、自己決定権などが含まれています。
- 2. ヘルシンキ宣言(1964年採択)は、人体を対象とする医学研究の倫理原則を定めたものであり、良質な医療を受ける権利について直接的に宣言するものではありません。研究参加者の人権擁護や倫理審査の必要性を強調しています。正しくは:ヘルシンキ宣言は、人体を対象とする医学研究の倫理原則を宣言しています。選びやすい理由:国際的な倫理宣言の一つであるため、患者の権利に関連すると誤解しやすいかもしれません。混同注意:患者の権利に関する一般的な宣言と、医学研究の倫理原則に関する宣言。
- 3. ジュネーブ宣言(1948年採択、医師の倫理規定)は、医師が果たすべき倫理的な責務や誓いを述べたものであり、「医の倫理」の基本を形成していますが、患者が良質な医療を受ける権利について直接的に宣言するものではありません。正しくは:ジュネーブ宣言は、医師が遵守すべき倫理的誓いを定めています。選びやすい理由:医師の倫理に関する重要な宣言であり、医療行為と密接に関連するため、患者の権利も含まれると勘違いしやすいかもしれません。混同注意:医師側の倫理規定と、患者側の権利宣言。
- 4. ニュルンベルク綱領(1947年)は、第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判で作成された、人体実験に関する倫理原則です。被験者の自発的同意の重要性を強調しており、良質な医療を受ける権利とは直接関係ありません。正しくは:ニュルンベルク綱領は、人体実験における倫理原則、特に被験者の自発的同意の重要性を定めています。選びやすい理由:人体に関連する倫理綱領の一つであり、戦争の悲惨な経験から生まれたという背景から、医療の質の保証にも言及していると誤解する可能性があります。混同注意:医学研究における倫理原則と、一般的な患者の権利。
国試ポイント
医療倫理における主要な国際的宣言や綱領の内容を正確に理解し、それぞれが何を主題としているかを識別できるかが問われる。特に患者の権利、医師の倫理、医学研究の倫理といったカテゴリーに分けて覚えることが重要。
混同注意
各宣言・綱領が「医療に関する倫理」という共通のテーマを持つため、それぞれの具体的な内容(誰の、何の権利や義務を規定しているか)を混同しやすい。特に「患者の権利」と「医師の倫理」や「研究の倫理」との区別が重要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各宣言・綱領が「誰の(患者、医師、研究参加者など)」「どのような側面(権利、義務、研究の原則など)」を主なテーマとしているかを確認する。
関連知識
・患者の権利章典(日本版など) ・インフォームド・コンセントの概念 ・生命倫理の四原則(自律尊重、無危害、善行、正義) ・医師法、保健師助産師看護師法における倫理規定