人を援助する過程で自分の職務に対して継続して努力したが、満足感や達成感が得られず、うつ症状や社会機能の低下を生じるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)は、主に医療従事者や介護従事者などの対人援助職において、仕事への過度な献身や責任感から精神的・肉体的に極度の疲労状態に陥り、達成感の喪失、意欲の減退、抑うつ症状、社会機能の低下などが生じる状態を指します。設問の記述は、この燃え尽き症候群の典型的な症状を正確に表しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 悪性症候群は、主に抗精神病薬の副作用として発熱、意識障害、筋硬直などが現れる状態であり、職務への努力と満足感の欠如からくる精神的な症状とは異なります。正しくは:悪性症候群は、薬剤性に見られる重篤な副作用である。選びやすい理由:症候群という言葉が共通しているため、何らかの精神的な不調と混同する可能性がある。混同注意:悪性症候群は薬剤性であり、精神的な負荷によるものとは異なる。
- 2. 空の巣症候群は、子どもが独立して家を離れた後に親が感じる喪失感や寂しさなどの心理的状態を指します。職務への努力とその結果得られる満足感の欠如とは直接関連しません。正しくは:空の巣症候群は、子どもの自立によって親が経験する心理的な変化である。選びやすい理由:「症候群」という名称と、抑うつ症状が含まれる点で、広範な精神的な不調として誤解する可能性がある。混同注意:空の巣症候群は家族関係の変化によるもので、職業的ストレスとは文脈が異なる。
- 3. 緊張病症候群は、運動機能の異常(昏迷、興奮、カタレプシーなど)が主な症状であり、精神疾患の一症状として現れることがあります。職務への継続的な努力とその結果としての感情的な消耗とは異なります。正しくは:緊張病症候群は、運動機能の異常を特徴とする精神症状である。選びやすい理由:精神疾患と関連する症候群であるため、漠然とした精神的な不調として捉えてしまう可能性がある。混同注意:緊張病症候群は主に運動性の症状を伴い、仕事の成果と感情的な消耗とは別物である。
- 4. 正解。燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)は、献身的に援助職などに従事する中で、精神的・身体的な極度の疲労、仕事への意欲喪失、感情の枯渇、達成感の欠如などを経験し、抑うつ症状や社会生活機能の低下に至る状態を指します。設問の記述と合致します。正しくは:燃え尽き症候群は、特に援助職において、過剰なストレスと達成感の欠如から生じる心身の消耗状態を指す。選びやすい理由:多くの「症候群」の中から適切なものを選ぶ必要があるため、専門知識が問われる。混同注意:他の症候群と混同しがちだが、燃え尽き症候群は『人を援助する過程で』『継続した努力』『満足感や達成感が得られない』というキーフレーズに最も合致する。
国試ポイント
燃え尽き症候群の定義とその特徴的な症状について理解しているかが問われる問題です。特に、援助職における精神的ストレスとその結果として生じる心身の不調に関する知識が重要です。
混同注意
悪性症候群、空の巣症候群、緊張病症候群など、他の「症候群」と混同しないよう、それぞれの病態や原因、主な症状を正確に把握しておく必要があります。特に精神的な不調を示す症候群は複数あるため、各々の特徴を識別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
燃え尽き症候群の予防策や、発症した場合の看護介入について説明できるか。また、対象者の状況に応じて、他の精神疾患との鑑別点を挙げられるか。
関連知識
・ストレスコーピングの種類と効果 ・メンタルヘルスケアの重要性 ・職場でのストレスマネジメント ・うつ病の診断基準と症状 ・援助職に特有の心理的負担