高齢者の健康障害の特徴で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高齢者は生理機能の低下により、薬物の代謝・排泄能力が低下しているため、同じ用量の薬物でも血中濃度が高くなりやすく、副作用や有害事象が発現しやすいです。多剤併用(ポリファーマシー)も一因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 高齢者の場合、疾患の症状は非典型的で曖昧な形で現れることが少なくありません。例えば、肺炎で高熱が出なかったり、心筋梗塞で胸痛が軽度であったりすることがあります。正しくは:症状の現れ方は非典型的で、曖昧なことが多い。選びやすい理由:一般的な疾患であれば典型的な症状が出ると考えるため、高齢者でも同じように考えてしまう。混同注意:若年層の定型的な疾患症状と混同しやすい。
- 2. 高齢者は生理機能の低下や複数の疾患を抱えていることが多いため、治療の効果が現れにくい、あるいは効果が出るまでに時間がかかる傾向があります。正しくは:治療の効果が現れにくかったり、時間がかかったりすることが多い。選びやすい理由:治療をすれば誰でも効果が出ると考えがち。混同注意:急性期の疾患治療における若年層の反応と混同しやすい。
- 3. 高齢者では、精神的ストレス、孤独感、喪失体験などが身体疾患の発生や悪化に強く影響することが知られています。心身相関が強く、心理的要因は重要な影響因子です。正しくは:病気の発生には精神的な要因が強く影響する。選びやすい理由:身体的な問題が主であると考えがちで、精神的な側面を軽視してしまう。混同注意:心理的要因が病因となりにくい疾患との混同。
- 4. 正解。高齢者は肝臓や腎臓の機能が低下していることが多く、薬物の代謝や排泄が遅延しやすいため、血中濃度が上昇し、副作用や有害事象が発現しやすくなります。また、複数の薬剤を併用することも多いため、薬物相互作用のリスクも高まります。
国試ポイント
高齢者の生理学的変化に伴う薬物動態の変化と、それによって生じる健康障害のリスクを理解しているか問う問題です。高齢者の特性を多角的に捉える視点が求められます。
混同注意
高齢者の症状の非定型性、治療効果の出にくさ、心理的要因の重要性は誤った選択肢としてよく出題されますが、これらも高齢者の健康障害の重要な特徴です。問題文の『正しいのはどれか』をしっかり確認する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、高齢者の症状の非定型性、治療効果の個人差、精神的要因の重要性、そして薬物以外の治療介入やケアにおける注意点に注目するでしょう。
関連知識
ポリファーマシー(多剤併用)、薬剤性パーキンソニズム、起立性低血圧、せん妄などの高齢者に特有な薬剤関連の問題、身体拘束のリスク。また、高齢者の病態では、多臓器不全、サルコペニア、フレイル、転倒・骨折、認知症、摂食嚥下障害なども頻出です。