30歳を100 %とした生理機能と比較して、老年期において機能の残存率の平均値が最も低下するのは次のうちどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
老年期になると、呼吸器系の機能は著しく低下します。特に最大換気量は、肺の弾性低下、胸郭の可動性低下、呼吸筋力の衰えなど複合的な要因により、30歳時を基準とすると最も残存率が低くなる生理機能の一つとされています。他の選択肢に比べて、その低下率が顕著です。
選択肢ごとの解説
- 1. 基礎代謝率は加齢とともに緩やかに低下しますが、最大換気量ほど顕著な低下は見られません。正しくは:基礎代謝率は、筋肉量の減少に伴い低下します。選びやすい理由:代謝機能の低下は高齢期に広く見られるため、選択肢として考えやすいです。混同注意:他の臓器機能の低下率との比較が難しい点で誤りやすいです。
- 2. 正解。最大換気量は、呼吸筋力の低下や肺の弾性低下、胸郭の可動性低下など複数の要因により、加齢とともに著しく低下する生理機能の一つです。30歳時を100%とした場合、80歳代では50%程度にまで低下すると言われています。
- 3. 細胞内水分量は加齢とともに減少傾向にありますが、これは総体液量の減少の一因であり、最大換気量のような急激な機能低下とは異なります。総水分量自体も減少します。正しくは:加齢により総体液量(特に細胞内液)は減少しますが、これは機能そのものの残存率とはやや異なる視点です。選びやすい理由:高齢者の脱水リスクが高まることと関連付けて選びやすいですが、これは機能残存率の直接的な指標とは異なります。混同注意:総体液量や細胞外液量、脱水リスクと混同しやすいです。
- 4. 神経伝導速度は加齢とともにわずかに低下しますが、最大換気量ほど劇的な低下ではありません。認知機能の低下などとは別の指標です。正しくは:神経伝導速度の低下は、反射時間の延長などに関与しますが、生理機能の残存率としては比較的維持される部類です。選びやすい理由:高齢者の反応速度の低下と結びつけて考えやすいですが、神経伝導速度自体の低下率は他の選択肢と比較して小さいです。混同注意:反射時間や認知機能、運動機能の低下と混同しやすいです。
国試ポイント
老年期の生理的変化の中でも、特に機能低下が顕著な項目を正確に理解しているかが問われています。具体的な数値や他の機能との比較を通じて、老年看護の基礎知識を評価する問題です。
混同注意
高齢期における様々な機能低下と混同しやすいですが、本問は「残存率が最も低下する」という比較軸が重要です。個々の機能低下の有無ではなく、その程度に焦点を当てる必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各臓器の生理機能が加齢によってどのように変化し、特にどの機能が最も低下しやすいかを具体的な数値や変化率で比較できるかを確認します。
関連知識
老年期の呼吸器系の変化(肺の弾性低下、肺活量の減少、残気量の増加、換気能率の低下)、循環器系の変化(心拍出量の減少、血管壁の硬化)、腎機能の変化(GFRの低下)、免疫機能の低下、骨密度の減少、筋肉量の減少(サルコペニア)など。