緩和ケアの目標で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
緩和ケアは、生命を脅かす疾患に直面している患者とその家族に対し、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな苦痛を予防し軽減することで、生活の質(QOL)を向上させることを目的としたケアです。病気の治癒や余命の延長を直接の目的とはせず、苦痛緩和とQOLの維持・向上に焦点を当てます。
選択肢ごとの解説
- 1. 緩和ケアは、疾患が進行し治癒が困難な状況にある患者さんの苦痛を和らげることを目的とし、病気自体を治すこと(治癒)を直接の目標とはしません。根治を目指す治療とは区別されます。正しくは:苦痛の緩和と生活の質の維持・向上選びやすい理由:医療全般の一般的なイメージとして「治療=治癒」という認識があるため、緩和ケアも同様だと誤って考えてしまう可能性があります。混同注意:根治治療、積極的治療
- 2. 緩和ケアは患者さんの身体的、精神的苦痛を和らげ、生活の質を高めることを重視しますが、余命を直接的に延長することを主な目的とはしていません。延命治療とは区別されます。正しくは:生活の質の向上と尊厳の維持選びやすい理由:終末期医療と緩和ケアを混同し、終末期=延命というイメージから、余命延長が緩和ケアの目的だと誤解しやすいです。混同注意:延命治療
- 3. 正解。緩和ケアの中心的な目標です。身体的な痛みや精神的な苦痛、社会的な問題などを和らげ、患者さん自身が望む生活を送れるように支援することで、残された時間を可能な限り豊かに過ごせるよう努めます。WHOの緩和ケアの定義でも「QOLの改善」が明記されています。
- 4. 緩和ケアは入院だけでなく、在宅、ホスピス、外来など様々な場所で提供され、患者さんの状態や希望に応じて最適なケアの場を選択します。在院日数の短縮自体は緩和ケアの直接的な目標ではありません。正しくは:患者と家族が希望する場所での適切なケアの提供選びやすい理由:近年の医療政策で在宅医療の推進が強調されていることから、入院期間の短縮が医療全体の目標だと考え、緩和ケアもそれに準じると誤解することがあります。混同注意:地域包括ケアシステム、在宅医療の推進
国試ポイント
看護師国家試験では、緩和ケアの定義、目的、対象、提供時期、ケア内容について問われることが多いです。特に「QOLの向上」は、緩和ケアの最も重要な目標として繰り返し出題される傾向があります。疾患の診断早期から提供可能である点も重要です。
混同注意
緩和ケアは「終末期医療」と混同されがちですが、終末期に限定されるものではなく、疾患の診断早期から提供が開始されます。また、「延命治療」とは異なり、生命延長を第一の目的とはしません。
次に同じ論点が出たら
次に緩和ケアに関する問題が出た際は、①対象は誰か(患者と家族)、②いつから提供されるか(診断早期から)、③どのような苦痛を対象とするか(身体的、精神的、社会的、スピリチュアル)、④主な目標は何か(QOLの向上、苦痛の緩和、尊厳の維持)という視点で選択肢を検討しましょう。
関連知識
WHO(世界保健機関)による緩和ケアの定義、緩和ケアが提供される場所(ホスピス、緩和ケア病棟、在宅、一般病棟など)、緩和ケアチームの役割と構成(医師、看護師、薬剤師、心理士、ソーシャルワーカーなど多職種連携)。