Aさん(55歳、男性)は会社の健康診断で便潜血が陽性となった。他の検査項目に異常がなかったため、精密検査を受けなかった。6か月後、妻の強い勧めで病院を受診し「体調に変化がなかったので、仕事を優先していました。たくさん検査を受けないといけないのですね」と話した。Aさんに特記すべき既往歴はない。 Aさんの診断に最も有用な検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Aさんの診断において、大腸ポリープや早期がんなどの大腸の病変を確定するためには、大腸内視鏡検査が最も有用です。内視鏡で直接粘膜を観察し、病変の有無、性状を確認できるだけでなく、必要に応じて生検を行い、病理組織学的に診断を確定できるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 腹部MRI検査は軟部組織の評価に優れますが、大腸ポリープや早期がんの直接的な診断には、内視鏡検査の方が精度が高いです。正しくは:大腸内視鏡検査選びやすい理由:腹部の詳細な画像情報が得られるため、病変の存在を示す情報が得られる可能性はありますが、確定診断には至らないことが多いです。混同注意:画像検査であるMRIと内視鏡検査の診断精度や目的の違いを混同する可能性があります。
- 2. 正解。大腸内視鏡検査は、大腸の粘膜を直接観察できるため、大腸ポリープや早期がんの発見、生検による病理診断に最も有用です。確定診断のための検査として第一選択となります。選びやすい理由:他の画像検査でも病変が疑われることはあるため、その時点で確定診断と考えてしまうかもしれません。混同注意:画像診断と確定診断のための直接観察検査の役割の違いについて混乱するかもしれません。
- 3. 腹部超音波検査は簡便な検査ですが、腸管内のガスの影響を受けやすく、大腸の全体像や微細な病変の評価には不向きです。特に早期の大腸病変の診断には有用性が低いです。正しくは:大腸内視鏡検査選びやすい理由:スクリーニング検査として広く用いられるため、有用だと考えるかもしれませんが、大腸の直接観察には劣ります。混同注意:超音波検査の適用範囲と、より詳細な評価が必要な場合の検査との区別ができていない可能性があります。
- 4. 腹部造影CT検査は、病変の大きさや周囲臓器への浸潤、リンパ節転移などを評価するのに役立ちますが、大腸の粘膜表面の微細な変化を捉えたり、生検を行ったりすることはできません。そのため、確定診断には直接的には有用ではありません。正しくは:大腸内視鏡検査選びやすい理由:腫瘍の有無や広がりを調べるのに使われるため、診断に有用だと考えるかもしれません。しかし、これは主に病期診断に用いられます。混同注意:病変の存在診断(確定診断)と、病変の進行度診断(病期診断)のための検査を混同する可能性があります。
国試ポイント
大腸疾患の診断における各検査の役割と、特に確定診断に最も適した検査を理解しているかが問われています。内視鏡検査は、直接観察と生検が可能な点で他の画像診断よりも優位性があります。
混同注意
各検査が提供する情報(画像情報、直接観察情報、病理情報)の違いと、それぞれの検査が診断のどの段階で最も有用であるかを混同しやすいです。特に、CTやMRIのような画像診断は病変の存在や広がりを示すには有効ですが、確定診断には不十分であることが多い点を理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
Aさんがもし便潜血陽性であった場合、次に選択すべき検査として最も適切なのはどれか、といった形で展開される可能性があります。
関連知識
大腸がん検診、便潜血検査、消化器疾患のスクリーニングと確定診断、生検の重要性、各画像診断の原理と適応。