Aさん(55歳、男性)は会社の健康診断で便潜血が陽性となった。他の検査項目に異常がなかったため、精密検査を受けなかった。6か月後、妻の強い勧めで病院を受診し「体調に変化がなかったので、仕事を優先していました。たくさん検査を受けないといけないのですね」と話した。Aさんに特記すべき既往歴はない。 Aさんは腹腔鏡を用いた気腹法による左半結腸切除術を受けることになった。入院に付き添ってきた妻は「腸を半分も切ると言われて驚いてしまいました。ずいぶん切るそうですが、どんな手術になるのかしら」と話した。Aさんの手術について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
腹腔鏡下胆嚢摘出術では、腹腔内に二酸化炭素を注入して腹腔を膨らませ(気腹)、手術を行うための視野と空間を確保します。これにより、小さな切開創から内視鏡や手術器具を挿入して操作が可能になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 腹腔鏡下胆嚢摘出術は全身麻酔で行われるのが一般的であり、局所麻酔は不適切である。正しくは:全身麻酔で行う。選びやすい理由:緊急性や患者の状態によっては局所麻酔が検討されるケースもあるが、標準的な術式ではない。混同注意:「全身麻酔」と「局所麻酔」の基本的な適用範囲の混同。
- 2. 胆嚢摘出術は胆嚢を摘出する手術であり、上行結腸とは異なる臓器であるため誤り。正しくは:胆嚢を摘出する。選びやすい理由:「腹腔鏡下手術」という共通点から、他の消化器外科手術と混同する可能性。混同注意:「胆嚢」と「上行結腸」の位置や機能、手術の対象臓器の混同。
- 3. 腹腔鏡下胆嚢摘出術は複数の小さな切開創(約0.5~1.5cm程度)で行われ、開腹手術のような大きな切開創はできない。正しくは:数か所の小さな切開創ができる。選びやすい理由:開腹手術の場合を想定するとこの記述は正しいが、腹腔鏡下手術の特性を理解していれば誤りと判断できる。混同注意:「腹腔鏡下手術」と「開腹手術」の切開創の大きさの違いの混同。
- 4. 正解。腹腔鏡下手術では、視野確保と手術空間を作るために、腹腔内に二酸化炭素を送気して気腹を行う。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:気腹の必要性を知らないと、体内にガスを注入することに疑問を感じるかもしれない。混同注意:「気腹」の目的やガスが何であるかについての知識不足。
国試ポイント
腹腔鏡下手術の基本的な原理と、開腹手術との違いを理解しているかが問われています。特に、気腹の目的と使用されるガスの種類は重要です。
混同注意
開腹手術と腹腔鏡下手術の術式、麻酔方法、切開創の大きさ、対象臓器の違い。
次に同じ論点が出たら
この手術を受ける患者に対し、術前オリエンテーションで気腹に関する説明を行う際に、どのような点に注意して情報提供すべきか。
関連知識
腹腔鏡下手術の合併症(気腹による循環器・呼吸器への影響、皮下気腫など)、術前・術後の看護、胆嚢の機能、胆石症や胆嚢炎の病態生理。