砕石位による手術で起こりやすい合併症はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
砕石位では、患者の足が吊り下げられた状態で長時間固定されるため、膝関節の背面に位置する総腓骨神経が、手術台の縁やサポート器具によって圧迫されやすくなります。この圧迫が続くと、総腓骨神経麻痺が生じ、結果として足関節の背屈が困難になる尖足を引き起こすリスクが高まります。これは、砕石位における代表的な体位性合併症の一つとして知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 猿手は正中神経麻痺によって起こるもので、砕石位とは直接関連が薄いです。正しくは:猿手は正中神経の損傷によって引き起こされます。選びやすい理由:神経系の合併症として一見すると関連しそうに見えます。混同注意:他の神経麻痺(橈骨神経麻痺による下垂手など)と混同することがあります。
- 2. 正解。砕石位では、患者の足関節が長時間底屈位に保持されやすいため、総腓骨神経が圧迫されやすく、これにより尖足(足関節の背屈ができなくなる状態)を引き起こすリスクが高まります。選びやすい理由:体位による神経圧迫を知らないと選びにくいかもしれません。混同注意:他の体位による神経障害と混同する可能性があります。
- 3. 下垂手は橈骨神経麻痺によって起こるもので、砕石位とは直接関連が薄いです。これは主に上肢の不適切な体位(例:上腕部の圧迫)で起こります。正しくは:下垂手は橈骨神経の損傷によって引き起こされます。選びやすい理由:他の神経麻痺と同様に、手術中の体位が原因となる可能性を連想しがちです。混同注意:他の神経麻痺(正中神経麻痺による猿手、尺骨神経麻痺による鷲手など)と混同することがあります。
- 4. 砕石位で褥瘡のリスクがあるのは、仙骨部や踵部、膝窩部など体重がかかる突出部位であり、腸骨部は一般的に主要な褥瘡好発部位ではありません。正しくは:砕石位で発生しやすい褥瘡部位は、仙骨部、踵部、膝窩部などです。選びやすい理由:長時間の同一体位による褥瘡は起こりやすいですが、部位の誤りがポイントです。混同注意:長時間の同一体位で起こる一般的な褥瘡と混同し、具体的な部位を意識しないまま選んでしまうことがあります。
国試ポイント
手術体位とそれに伴う特有の合併症(特に神経麻痺や褥瘡の好発部位)の知識を問う問題です。各体位が身体のどの部分に負担をかけ、どのような神経や血管、皮膚に影響を及ぼすかを理解しているかが重要となります。
混同注意
様々な手術体位(仰臥位、腹臥位、側臥位、砕石位など)それぞれに特有の合併症があります。例えば、仰臥位では仙骨部や踵部、後頭部などの褥瘡、尺骨神経麻痺などが起こりやすいです。各体位と合併症の組み合わせを正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
この論点が次に問われる際は、他の手術体位(例:側臥位での合併症)や、合併症の予防策、あるいは具体的な看護介入について問われる可能性が高いです。
関連知識
手術体位性合併症の種類(神経麻痺、褥瘡、筋・骨格系合併症、循環器系合併症など)、各体位での適切なポジショニングの原則、予防策(クッションの使用、体位変換、観察項目など)。神経麻痺の種類(総腓骨神経麻痺、尺骨神経麻痺、正中神経麻痺、橈骨神経麻痺など)とそれによる特徴的な症状(下垂足/尖足、鷲手、猿手、下垂手など)についても理解しておく必要があります。