悪性貧血で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4・5番のうち2つ(いずれの組合せも正解)
解説
【公式の取扱い】2つを選ぶ形式で、公式の正答表では「4と5」・「1と4」・「1と5」のいずれの組合せも正解とされています。 悪性貧血はビタミンB12の吸収障害によって生じる巨赤芽球性貧血であり、ビタミンB12欠乏によりヘモグロビンの合成不全と赤血球の新生におけるDNA合成障害が起こります。未熟な赤血球が骨髄内で破壊される(無効造血)ため、間接ビリルビンが増加し黄疸が生じます。また、胃の自己免疫性萎縮が原因となるため、胃癌の発症リスクが高く、自己免疫機序が病態の中心となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。悪性貧血では、骨髄での無効造血や赤血球の寿命短縮により間接ビリルビンが増加するため、黄疸が生じることがあります。選びやすい理由:貧血と黄疸の関連性が一般的な疾患知識として認識されているため。混同注意:溶血性貧血による黄疸。
- 2. 異食症は、土や氷など栄養のないものを無性に食べたくなる症状で、主に鉄欠乏性貧血でみられます。悪性貧血では通常出現しません。正しくは:異食症は鉄欠乏性貧血で出現する。選びやすい理由:貧血症状の一つとして異食症が広く知られているため、貧血であれば共通の症状と誤解しやすい。混同注意:鉄欠乏性貧血の症状。
- 3. 悪性貧血はビタミンB12欠乏によるDNA合成障害のため、赤血球が正常に成熟せず大型化する大球性貧血です。小球性貧血ではありません。正しくは:悪性貧血は大球性の貧血である。選びやすい理由:「貧血」という言葉から、赤血球が小さい(小球性)とイメージしやすいため。最も一般的な貧血が小球性貧血であるという知識があるため。混同注意:鉄欠乏性貧血やサラセミアなどの小球性貧血。
- 4. 正解。悪性貧血の多くは自己免疫性萎縮性胃炎を基礎としており、慢性的な胃粘膜の炎症と萎縮が続くため、胃癌、特に腺癌やカルチノイド腫瘍の発症リスクが高まります。選びやすい理由:自己免疫疾患と癌の発症リスクの関連性が広く知られているため。混同注意:一般的な胃炎と胃癌リスクの関連性。
- 5. 正解。悪性貧血の主な原因は、自己免疫性の機序により胃壁細胞や内因子に対する自己抗体が産生され、内因子が欠乏しビタミンB12の吸収が障害されることです。選びやすい理由:自己免疫疾患の概念が広く認識されているため。混同注意:他の自己免疫性疾患。
国試ポイント
悪性貧血は巨赤芽球性貧血の一種であり、ビタミンB12欠乏によって生じること、胃の自己免疫性萎縮性胃炎が原因であること、それに伴う合併症(黄疸、胃癌リスク増加)を理解することが重要です。
混同注意
鉄欠乏性貧血(小球性低色素性貧血)と混同しやすいが、悪性貧血は巨赤芽球性貧血(大球性正色素性貧血)である点で区別されます。また、ビタミンB12欠乏と葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血の鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
「大球性貧血」「ビタミンB12欠乏」「自己免疫性胃炎」「内因子抗体」などのキーワードがあれば悪性貧血を疑い、関連症状(黄疸、神経症状、舌炎)の有無を確認します。
関連知識
悪性貧血は自己免疫性萎縮性胃炎を伴い、内因子抗体や壁細胞抗体が陽性となることがあります。神経症状(亜急性連合変性症)を呈することも特徴です。