災害時のこころのケアで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
災害派遣精神医療チーム(DPAT)は、大規模災害や事故が発生した際に、被災者の精神的ケアを迅速かつ専門的に行うことを目的として組織されています。その活動範囲は自然災害に限定されず、航空機事故のような大規模な人的被害を伴う事故においても、被災者や関係者の精神的健康を支援するために派遣されます。これは、大規模な出来事による心的外傷や精神的な影響に対応するための包括的なシステムの一部です。
選択肢ごとの解説
- 1. 災害時の心のケアは、発災直後から長期にわたり継続的に行われる必要があり、数週間で終了するものではありません。被災者の精神的反応は時間とともに変化し、数か月から数年後に顕在化することもあります。正しくは:心のケアは、災害発生直後から長期にわたり継続して行われます。選びやすい理由:発災直後の急性期ケアが重要であるという認識から、短期的なイメージを持ってしまう可能性があります。混同注意:急性期の緊急支援と長期的な回復支援の区別が曖昧になっているのかもしれません。
- 2. 正解。DPATは、地震や津波などの自然災害だけでなく、航空機事故のような大規模事故、テロ、感染症など、広範囲にわたる精神的影響をもたらす事態において、被災地での精神医療支援活動を行います。その活動範囲は災害の種類を問いません。正しくは:DPATは、大規模災害や事故など、精神的影響の大きい事態全般に対応します。選びやすい理由:DPATという名称から自然災害に特化した組織だと誤解するかもしれませんが、その活動範囲は広いです。混同注意:自然災害のみに対応するDMAT(災害派遣医療チーム)と混同している可能性があります。
- 3. 心のケアチームの主な目的は、被災者の精神的苦痛の軽減、精神状態のアセスメント、心理教育、情報提供、専門機関へのつなぎ、長期的な心の健康支援であり、福祉避難所での「医療行為」に限定されるものではありません。活動場所も避難所全般や在宅、被災地全体に及びます。正しくは:心のケアチームを組織する目的は、被災者の精神的健康を多角的に支援することです。選びやすい理由:福祉避難所も心のケアの対象となる場所の一つであるため、その目的の一部と捉えてしまう可能性があります。混同注意:「医療活動」という言葉が、心のケアチームの活動範囲全体を指すのか、狭義の医療行為を指すのかで混乱している可能性があります。
- 4. PFAは、災害発生直後から数日~数週間といった早期に、専門職だけでなく一般の人々も実施できるよう開発された心理的応急処置です。実施時期は「数か月後」ではなく「早期」であり、実施者も「精神科医」に限定されません。正しくは:PFAは、災害発生直後から早期に、専門家だけでなく一般の人々も行える心理的応急処置です。選びやすい理由:「ファーストエイド」という言葉から、早期の対応と連想しやすい一方で、心理的支援は専門家が行うものという思い込みから精神科医に限定してしまうかもしれません。混同注意:PFAの対象者(一般市民含む)と実施時期(早期)の理解が不十分な可能性があります。
国試ポイント
災害時のこころのケアに関する基本的な知識、特にDPATの役割と活動範囲、サイコロジカルファーストエイド(PFA)の概念、および心のケアが長期にわたる過程であることを理解しているかが問われる問題です。
混同注意
DMAT(災害派遣医療チーム)とDPAT(災害派遣精神医療チーム)の役割と対象範囲、またPFAと専門的な精神医療介入のタイミングが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
災害発生時の状況に応じた具体的な心のケア介入の優先順位や、多職種連携における看護師の役割について問われる可能性があります。
関連知識
災害サイクルに応じた心のケアの段階(急性期、亜急性期、慢性期)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の理解、地域における心のケア連携体制。