細菌が体内に初めて侵入したときに最初に産生される免疫グロブリンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
細菌が体内に初めて侵入した際(一次免疫応答)、B細胞は抗原刺激を受けて形質細胞へと分化し、最初にIgMを産生します。IgMは五量体(ペンタマー)構造を持ち、補体活性化作用が強力で、初期防御において重要な役割を担います。その後、免疫グロブリンのクラススイッチが起こり、IgGなどが産生されるようになります。
選択肢ごとの解説
- 1. IgAは主に粘膜面(消化管、気道、泌尿生殖器など)や分泌液(唾液、涙、母乳など)に多く存在し、外部からの病原体の侵入を防ぐ役割を担います。初感染時に最初に産生される免疫グロブリンではありません。正しくは:IgAは主に粘膜免疫に関与し、分泌型抗体として機能する。選びやすい理由: IgAは母乳などにも含まれるため、免疫応答の初期段階で重要だと誤解される可能性がある。混同注意:分泌液中のIgAと、全身の初期免疫応答におけるIgMの役割が混同されることがある。
- 2. IgDはB細胞の表面に発現しており、B細胞の活性化に関与すると考えられていますが、血中濃度は非常に低く、初感染時に大量に産生される主要な免疫グロブリンではありません。正しくは:IgDはB細胞の抗原受容体として機能し、B細胞の活性化を補助する。選びやすい理由:B細胞の表面にあるため、免疫初期に関わると考えられがち。混同注意:B細胞活性化におけるIgDと、抗原提示後の抗体産生における他の免疫グロブリンの役割が混同されやすい。
- 3. IgEは主にアレルギー反応や寄生虫感染に対する免疫応答に関与します。初感染時に最初に産生される免疫グロブリンではありません。正しくは:IgEは肥満細胞や好塩基球の表面に結合し、アレルギー反応を媒介する。選びやすい理由:体内の異物に対する反応であるため、初期応答と誤解されることがある。混同注意:アレルギー反応におけるIgEの役割と、一般的な細菌感染に対する初期免疫応答が混同される。
- 4. IgGは血中に最も多く存在する免疫グロブリンで、主に二次免疫応答(過去に遭遇した病原体に対する応答)で高い濃度に達します。また、胎盤を通過できる唯一の免疫グロブリンでもあります。初感染時にはIgMに遅れて産生されます。正しくは:IgGは二次免疫応答の主要な抗体であり、胎盤を通過できる唯一の免疫グロブリンである。選びやすい理由:量が最も多いので、常に重要な免疫グロブリンだと誤解される。混同注意:一次応答と二次応答における免疫グロブリンの種類の違いが混同されることがある。
- 5. 正解。細菌が体内に初めて侵入した際、B細胞が活性化されて最も早く産生されるのがIgMです。IgMは初期の免疫応答において重要な役割を果たし、主に血液中に存在し、補体の活性化に強力に関与します。正しくは:IgMは一次免疫応答で最初に産生される抗体であり、ペンタマー構造を持つ。選びやすい理由:他の免疫グロブリンとの役割の違いが明確でないと選びにくい。混同注意:抗体の種類とそれぞれの機能、特に一次応答と二次応答の区別が曖昧だと迷う。
国試ポイント
免疫グロブリンの種類と、それぞれの機能・特徴を理解しているかが問われる問題です。特に、一次免疫応答と二次免疫応答で最初に産生される抗体の違いや、各免疫グロブリンが関与する主な免疫反応(例:粘膜免疫、アレルギー)を正確に把握しておくことが重要です。
混同注意
IgMとIgGが最も混同されやすいです。IgMは一次応答の初期、IgGは二次応答の主要抗体であり、胎盤通過能がある点で区別できます。また、IgAが粘膜免疫、IgEがアレルギー反応と、それぞれ特定の部位や反応と結びつけて記憶することが効果的です。
次に同じ論点が出たら
この知識を応用し、例えば特定の感染症の診断で抗体価を評価する際に、IgMとIgGのどちらが高値であるかによって感染時期を判断するといった臨床的な状況を読み解けるか。
関連知識
免疫グロブリンの種類(IgG, IgA, IgM, IgD, IgE)、各抗体の構造と機能、一次免疫応答と二次免疫応答の違い、抗体産生のメカニズム(B細胞の活性化、クラススイッチ)、補体系。