排便を促す目的のために浣腸液として使用されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
グリセリンは浸透圧性下剤として作用します。直腸内に注入されると、その高い浸透圧によって腸管内の水分を引き寄せ、便を軟化させるとともに便量を増加させます。これにより、腸壁が刺激されて蠕動運動が促進され、排便を誘発します。
選択肢ごとの解説
- 1. バリウムは消化管造影検査に用いられる造影剤であり、便通を促進する目的では使用されない。むしろ、バリウム自体が便秘を引き起こすことがあるため、検査後には下剤が処方されることが多い。正しくは:バリウムは造影検査用であり、浣腸液として便通促進には用いない。選びやすい理由:消化管に関連する薬剤であるため、誤って選択しやすい。混同注意:消化管に関連する他の薬剤や、造影剤としての役割。
- 2. ヒマシ油は刺激性下剤の一つで、小腸でリシノール酸に加水分解され、腸管粘膜を刺激して蠕動運動を亢進させる。しかし、通常は経口で用いられ、浣腸液として直接直腸に注入することは一般的ではない。正しくは:ヒマシ油は経口の刺激性下剤であり、浣腸液としての使用は一般的ではない。選びやすい理由:下剤の一種であるため、便通促進の目的で用いられると誤解しやすい。混同注意:経口下剤と浣腸液、また刺激性下剤と浸透圧性下剤の区別。
- 3. 正解。グリセリンは、その高い浸透圧により腸管内に水分を引き込み、便を軟化・膨張させることで、直腸を刺激し排便を促す。浣腸液として広く用いられる。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、浣腸液の主成分として知られている。混同注意:特になし。浣腸液の代表的な成分として認識されているべきである。
- 4. エタノールは消毒薬や溶剤として使用され、便通を促進する目的で浣腸液として使用されることはない。腸管に刺激を与え、炎症や損傷を引き起こす可能性があるため、浣腸液としては不適切である。正しくは:エタノールは消毒薬であり、浣腸液として便通促進には用いない。選びやすい理由:身近な液体であるため、用途を混同しやすい。しかし、医学的な用途は全く異なる。混同注意:消毒薬やアルコール飲料などの一般的な用途と、浣腸液としての医学的用途。
国試ポイント
便秘解消に用いられる浣腸液の種類と作用機序を理解しているか、また、それぞれの薬剤の適用と禁忌を区別できるかが問われる。
混同注意
経口下剤と浣腸液の区別、浸透圧性下剤と刺激性下剤、潤滑性下剤の作用機序の違い。
次に同じ論点が出たら
「浣腸液として利用されるか」と「便通を促進する機序」の2点から判断する。特に浸透圧性下剤としてのグリセリンの作用機序を理解しているか。
関連知識
浣腸の種類(排泄浣腸、洗腸、注腸など)、浣腸液の温度、体位、挿入の深さなど、浣腸実施時の注意点も合わせて学習すると良い。また、摘便や薬物療法以外の便秘対策(食事療法、運動療法)も重要である。