自殺念慮を訴える患者で、自殺が最も切迫している状態はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
自殺念慮を訴える患者において、自殺の切迫度が最も高いのは、自殺の具体的な日時を定めている場合です。これは、計画が具体的に立てられており、実行への強い意思が示されているためです。自殺の手段が未定であることや、将来の希望を語ること、普段と変わらない生活を送っていることは、自殺念慮がある中でも比較的切迫度が低い状態、あるいは判断を誤りやすい状態と言えます。特に、自殺を決意した後に一時的に落ち着きを取り戻す「嵐の前の静けさ」には注意が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 具体的な手段が決まっていない場合、自殺の実行に移る準備段階が未完了であり、切迫度は低いと判断されます。正しくは:具体的な手段が決まっている。選びやすい理由:手段が決まっていないと、まだ実行しないだろうと安堵しがちですが、それは誤りです。常にリスクはあります。混同注意:手段が不明な状態と、手段を検討中の状態を混同しやすいです。検討中であっても危険性は高いです。
- 2. 正解。自殺する日時まで具体的に決定していることは、自殺計画がかなり進行しており、実行への意志が非常に固いことを示唆するため、最も切迫度が高い状態です。具体的な計画があるほど、リスクは高まります。
- 3. 将来に希望を持つような発言がある場合、それが一時的であっても、自殺への気持ちに揺らぎがある可能性を示し、切迫度は低いと判断されます。正しくは:将来への希望を全く語らず、むしろ悲観的な発言ばかりをする。選びやすい理由:希望があるなら大丈夫だと思いがちですが、気分変動の可能性も考慮すべきです。混同注意:希望的発言があるからといって、完全にリスクがないわけではありません。一時的な気分の好転である可能性もあります。
- 4. 一見、普段通りに見えても、内面に深刻な苦悩を抱えている可能性は十分にあります。しかし、自殺計画の具体的な進行度という点では、他の選択肢に比べて切迫度が低いと評価されます。特に、決行直前に急に穏やかになることもあり注意が必要です。正しくは:普段と異なる、不穏な行動や言動が増えている。選びやすい理由:一見落ち着いていると、安心しがちです。しかし、これが決行前の「嵐の前の静けさ」であることもあります。混同注意:見た目の落ち着きと、内面の切迫度を混同しやすいです。特に、自殺を決意した人が周囲を安心させるために落ち着いた振る舞いをすることがあります。
国試ポイント
自殺のリスク評価において、具体的な計画の有無、特に日時や手段の決定が、切迫度を判断する上で極めて重要な指標であることを理解しているかを問う問題です。表面的な言動だけでなく、内面的な計画の具体性に着目する視点が求められます。
混同注意
自殺のリスク評価では、一時的な感情の起伏(例:希望を語る)や表面的な行動(例:普段通りの生活)と、具体的な自殺計画の進行度を混同しやすいです。後者の方がはるかに切迫度が高いサインとなります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、自殺の『計画の具体性(いつ、どこで、どのように)』に着目し、特に『日時や手段の決定』が最も高いリスクを示すと判断します。また、一見落ち着いているように見えても、それが決行前のサインである可能性も考慮に入れる必要があります。
関連知識
自殺のリスク因子(精神疾患、過去の自殺企図、孤独、経済的困難など)、保護因子(サポートシステム、希望、信仰など)、自殺念慮の段階(漠然とした思い、具体的な計画、実行)、自殺予防のためのアセスメントツール(SAD PERSONS scaleなど)、介入方法(環境調整、精神科医へのコンサルテーション、見守り、安全契約など)。