Aさん80歳、女性!。大=骨頸部骨折のため人工骨頭置換術を受けた。手術後14日、Aさんの経過は順調で歩行訓練を行っている。歩行による痛の訴えはない。現在のAさんの状態で最も注意すべきなのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
人工股関節置換術後の股関節脱臼は、術後早期に最も注意すべき合併症の一つであり、特に股関節の可動域制限を逸脱した特定の肢位で発生しやすいです。大腿骨頸部骨折患者は高齢者が多く、骨折のリスクファクターとなる骨粗鬆症や筋力低下を合併していることが多いため、脱臼リスクが高まります。術後14日という時期は、まだ組織の安定性が不十分であり、歩行訓練中の不意な動作で脱臼を誘発する可能性があります。
選択肢ごとの解説
- 1. せん妄は高齢患者の術後早期に起こりやすい合併症ですが、術後14日で歩行訓練が順調に行われている状況では、最も注意すべき事項とは言い難いです。Aさんの情報からはせん妄を疑う特段の記述はありません。選びやすい理由:高齢者の術後合併症として頻繁に発生するため、選択肢として魅力的ですが、現在のAさんの状態(歩行訓練中)から最も注意すべきことではありません。混同注意:術後早期の精神症状、特に認知機能低下のある高齢者の術後に起こりやすい点。
- 2. 創部感染も術後の重要な合併症ですが、術後14日であれば感染徴候があれば通常何らかの訴えや所見があります。Aさんの経過は順調とあり、痛みも訴えていないため、現時点で最も注意すべきことではありません。選びやすい理由:人工物を使用する手術後の感染は重篤な合併症であり、常に注意が必要です。しかし、術後14日で経過順調という状況下では、優先順位は下がります。混同注意:術後発熱や創部の発赤・腫脹・疼痛・排膿などの感染兆候。
- 3. 正解。人工股関節置換術後の股関節脱臼は、術後早期から組織が安定するまでの期間に最も注意すべき合併症です。特に歩行訓練中など、股関節の可動域を超えた動作や不意な体勢で発生しやすく、術後14日はまだ脱臼リスクが高い時期です。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、医学的知識があれば選びやすいです。混同注意:他の術後合併症。
- 4. 深部静脈血栓症は術後早期に発生しやすい合併症であり、予防策が講じられます。術後14日で歩行訓練が順調に行われている状況では、活動量が増加しているため、発症リスクは初期より低下しています。ただし、完全にリスクがなくなるわけではありません。選びやすい理由:手術侵襲による不動や血管損傷によりリスクが高まるため、重要な合併症として認識されやすいです。しかし、歩行訓練中の状況では、他の選択肢と比較して最も注意すべき事項ではありません。混同注意:術後早期の不動状態におけるリスク、肺塞栓症との関連性。
国試ポイント
人工股関節置換術後の合併症とその発生時期、特に股関節脱臼のリスク因子と予防的看護、および脱臼肢位について覚える必要があります。
混同注意
せん妄、創部感染、深部静脈血栓症も術後の重要な合併症ですが、術後14日で歩行訓練中の患者において、最も緊急性が高く、注意すべきは股関節脱臼です。他の合併症は発症時期や症状が異なります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、「手術後の日数」「リハビリテーションの内容」「患者の年齢や基礎疾患」に着目し、最も起こりやすい合併症を判断します。特に人工関節置換術後の早期合併症として脱臼は頻出です。
関連知識
人工股関節置換術後のリハビリテーションにおいては、股関節の過度な屈曲、内転、内旋を避けるように指導し、装具の使用や体位管理が重要であることを関連付けて覚えましょう。脱臼肢位には後方脱臼と前方脱臼があり、それぞれ危険な肢位が異なります。