一般的な病室における冬季の湿度で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
冬季の病室では、空気の乾燥が問題となりやすく、特にインフルエンザウイルスなどの感染症のリスクが高まります。また、患者さんの呼吸器粘膜が乾燥することで、体調不良や不快感の原因にもなります。適切な湿度は、一般的に50%から60%程度とされており、この範囲であればウイルスの活動を抑制し、患者さんの快適性を保ちながら、カビなどの発生も防ぐことができます。選択肢3の約50%は、この適切な範囲内に含まれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 冬季の病室では、湿度が10%では非常に乾燥しすぎており、呼吸器系の粘膜が乾燥しやすくなります。これはウイルス感染のリスクを高め、患者さんの不快感や健康障害に繋がりかねません。正しくは:一般的に、病室の湿度は乾燥しすぎないよう、50〜60%程度に保つことが推奨されます。選びやすい理由:極端に乾燥している状況は避けたいという感覚から、低い値を選ぶ可能性は低いですが、誤って選択する可能性もあります。混同注意:適切な湿度範囲に関する知識が不足していると、このような極端な値も選択肢に入ってきてしまいます。
- 2. 30%の湿度は、冬場の病室としてはまだ乾燥している状態です。この湿度では、インフルエンザウイルスなどの活動が活発になりやすく、感染リスクが高まります。また、患者さんの喉や鼻の乾燥、皮膚の乾燥を引き起こしやすいため、快適な療養環境とは言えません。正しくは:適切な湿度は、一般的に50〜60%とされており、ウイルス活動を抑制し、快適性を保つためには30%では不十分です。選びやすい理由:乾燥対策の必要性は認識しつつも、具体的な適正値を知らない場合に、多少湿度が上がった状態として選んでしまうかもしれません。また、一部の施設ではこれくらいの湿度になっている場合もあるため、実体験と混同する可能性も。混同注意:適切な湿度範囲、特に感染症予防に有効な湿度についての知識と混同する可能性があります。
- 3. 正解。冬季の病室における適切な湿度は、一般的に50%前後から60%程度とされています。この範囲の湿度は、インフルエンザウイルスなどの airborne な病原体の活動を抑制し、患者さんの呼吸器粘膜の乾燥を防ぎ、快適な環境を維持するために有効です。過度な乾燥は感染リスクを高め、過度な湿潤はカビの発生を促すため、このレベルが適切です。正しくは:この選択肢は正しい記述です。選びやすい理由:これは正しい選択肢です。混同注意:他の季節の湿度や、一般家庭の理想的な湿度と混同することはありません。病室という特定の環境条件での適正値が問われています。
- 4. 70%の湿度は、冬季の病室としては高すぎると言えます。この湿度では、カビやダニが発生しやすくなり、喘息やアレルギーを持つ患者さんにとっては症状が悪化するリスクがあります。また、結露が発生しやすくなるなど、衛生管理上の問題も生じることがあります。正しくは:病室の湿度はカビやダニの発生を抑えるためにも、一般的に60%を超えない程度に保つことが推奨されます。選びやすい理由:乾燥しすぎるのは良くないという認識から、十分に高い湿度を選びたいと考える受験生が、高すぎる値を選んでしまう可能性があります。特に、乾燥対策を重視するあまり、湿度が高すぎることのリスクを見落とすかもしれません。混同注意:高湿度に対するリスク認識が低い場合や、逆に乾燥しすぎることへの恐怖から、必要以上に高い湿度を選択してしまう可能性があります。
国試ポイント
この問題は、病室における環境整備の基本、特に感染予防と患者の快適性・安全確保の観点から、適切な温湿度管理に関する知識を問うものです。冬季の空気乾燥がもたらすリスクとその対策、そして過湿による別のリスク(カビ、ダニなど)の両面を理解しているかが試されます。看護師は患者の療養環境を整える上で、物理的環境要因の適切性を判断できる必要があります。
混同注意
インフルエンザウイルスなどの感染症予防に効果的な湿度と、カビやダニの発生を抑制するための湿度上限に関する知識が混同しやすいです。乾燥しすぎるのは悪いという認識から、ただ湿度を上げれば良いと誤解し、高すぎる湿度(例:70%)を選んでしまう可能性があります。また、夏場などの高湿度が問題となる季節とは異なる、冬季の特性を理解しているかが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、病室の適切な温湿度範囲だけでなく、それらが患者の生理機能(呼吸器、皮膚など)や感染リスク(ウイルス、細菌、真菌など)にどのように影響するかをより具体的に問われる可能性があります。また、特定の疾患を持つ患者(例:COPD患者、アレルギー患者、熱傷患者)にとっての最適な温湿度管理など、個別性のある状況設定での判断が求められることも考えられます。
関連知識
・インフルエンザウイルスなどの飛沫感染・空気感染対策における湿度管理の重要性。 ・呼吸器粘膜の防御機能と乾燥の関係。 ・カビ、ダニの発生条件とアレルギー疾患への影響。 ・温熱環境の4要素(気温、湿度、気流、放射熱)と看護介入。 ・病院感染対策における環境整備の基準。