高齢者に対する生活史の聴き方で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高齢者の生活史を聴取する際は、相手が安心して話せる環境と雰囲気を作ることが最も重要です。楽しかった思い出や記憶が鮮明な時代から話してもらうことで、心理的な負担を軽減し、円滑なコミュニケーションを促進できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 生活史の聴取は対象者の人生を理解することが目的であり、認知機能の評価とは異なる。評価ツールを使うと、高齢者が尋問されているように感じ、話しにくくなる可能性がある。正しくは:認知機能評価とは別に、穏やかな対話を通じて生活史を聴取する。選びやすい理由:高齢者支援の場面で認知機能評価が重要であるため、関連する行為と思われがち。混同注意:生活史聴取の目的(関係構築、個別ケア計画)と、認知機能評価の目的(診断、機能把握)が混同されやすい。
- 2. 生活史の聴取は、高齢者の主観的な経験や感情を尊重することが重要である。事実の正確性よりも、本人がどのように記憶し、感じているかに焦点を当てるべき。訂正することは、相手を否定することになり、信頼関係を損ねる。正しくは:高齢者の語りを傾聴し、その人にとっての真実として受け止める。事実と異なる点があっても、あえて訂正せず、語り続けることを促す。選びやすい理由:客観的事実に基づいた情報収集が基本と考える看護学生は、間違いを訂正すべきだと判断しがち。混同注意:客観的情報収集の場面(例:病歴聴取)と、主観的体験の傾聴場面が混同されやすい。
- 3. 生活史の聴取は、プライバシーに関わるデリケートな情報を取り扱うため、口頭での同意は必須だが、必ずしも書面での同意が必要とは限らない。特に高齢者の場合、書面での手続きが負担になったり、堅苦しい印象を与えたりする可能性がある。目的やプライバシー保護について丁寧に説明し、口頭で同意を得ることが一般的である。正しくは:聴取の目的とプライバシー保護について丁寧に説明し、高齢者から口頭で同意を得る。選びやすい理由:インフォームド・コンセントの重要性から、文書同意を重視する考えが先行しがち。混同注意:治療行為や研究参加など、より厳格な書面同意が求められる場面と、日常的なケアにおける生活史聴取が混同されやすい。
- 4. 正解。生活史の聴取では、高齢者がリラックスして、自発的に話せる環境を作ることが非常に重要である。特に記憶が鮮明で、ポジティブな感情を伴う思い出(例:若い頃の活躍、家族との楽しい出来事)から語ってもらうことで、話しやすさが増し、信頼関係の構築にも繋がる。過去の辛い出来事や詳細な記憶をたどることは、精神的な負担になる場合があるため、無理強いせず、本人のペースに合わせることが大切。
国試ポイント
高齢者看護におけるコミュニケーションの基本原則、特に生活史聴取の目的と方法が問われています。高齢者の尊厳の保持、傾聴の姿勢、心理的配慮が重要視されます。
混同注意
通常の病歴聴取や情報収集と、生活史聴取の目的(個別ケア、尊厳の保持、関係構築)が混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、高齢者の主体性、尊厳の保持、心理的安全性、そして傾聴の原則が守られている選択肢を選ぶ。
関連知識
老年期の心理的発達(エリクソンの発達段階など)、回想法、非言語的コミュニケーション、傾聴の技法、エンパワメントの視点。