高齢者が共同生活をする施設で、感染の拡大予防のために個室への転室などの対応を必要とするのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
角化型疥癬は、通常の疥癬に比べて非常に多数のヒゼンダニが存在し、感染力が極めて高いことが特徴です。そのため、直接接触だけでなく、間接接触でも容易に感染が拡大し、高齢者施設での集団感染のリスクが非常に高い疾患です。感染拡大防止のためには、感染者の個室隔離、厳重な接触予防策、環境消毒などが不可欠となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 白癬は真菌感染症であり、直接接触で感染しますが、通常は個室隔離を必要とするほどの感染力は高くありません。一般的な衛生管理で対応可能です。正しくは:白癬は通常、個室への転室といった厳重な隔離は不要です。選びやすい理由:皮膚感染症であるため感染拡大を心配するかもしれませんが、感染力や重症度を考慮すると過剰な対応です。混同注意:疥癬と混同されがちですが、感染力と高齢者施設での対応の必要性が異なります。
- 2. 帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによるもので、接触感染や空気感染のリスクがありますが、水痘の既往がある高齢者間では感染拡大のリスクは低いとされます。ただし、免疫力の低下した入居者がいる場合は注意が必要です。一般的には水痘に罹患したことのない方との接触を避ける配慮は必要ですが、必ずしも個室隔離が必須とは限りません。正しくは:帯状疱疹は水痘の既往がある高齢者間では感染拡大のリスクは低いとされ、必ずしも個室への転室が必要とは限りません。選びやすい理由:水痘と同じウイルスによるため、感染力を懸念するかもしれませんが、帯状疱疹は水痘ほど空気感染力が強くありません。混同注意:水痘と帯状疱疹は同じウイルスですが、発症形態が異なり、感染力も異なります。水痘では個室隔離が必要です。
- 3. 蜂窩織炎は細菌感染による皮膚の深部組織の炎症であり、通常は直接接触による人から人への感染は稀です。そのため、個室への転室といった感染対策は不要です。正しくは:蜂窩織炎は人から人への直接感染は稀であり、個室への転室は不要です。選びやすい理由:炎症が広範囲に及ぶことがあり、見た目の重症度から感染性を誤解する可能性があります。混同注意:他の皮膚感染症と異なり、感染経路が限定的で感染拡大のリスクが低いことを理解する必要があります。
- 4. 正解。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)は、通常の疥癬と比較してヒゼンダニの数が非常に多く、極めて高い感染力を持ちます。直接接触だけでなく、衣類や寝具、環境からの間接接触でも容易に感染が拡大するため、高齢者施設において集団感染を引き起こすリスクが非常に高いです。そのため、個室への転室による隔離と厳重な接触予防策が必要とされます。正しくは:角化型疥癬はダニの数が非常に多く感染力が極めて高いため、個室への転室と厳重な接触予防策が必要です。選びやすい理由:通常の疥癬と混同しがちですが、角化型疥癬は感染力が桁違いに高いため、区別して考える必要があります。混同注意:通常の疥癬は集団感染のリスクはありますが、角化型疥癬の感染力は段違いに高く、対策のレベルが異なります。
- 5. 皮膚カンジダ症は真菌(カンジダ菌)による皮膚感染症であり、通常は免疫力の低下した人や皮膚の湿潤部位に発生しやすいです。人から人への感染力は低く、個室への転室が必要なほどの感染症ではありません。正しくは:皮膚カンジダ症は人から人への感染力が低く、個室への転室は不要です。選びやすい理由:皮膚に発疹やただれが生じるため、感染拡大を懸念するかもしれませんが、感染力は高くありません。混同注意:白癬と同様、真菌感染症ですが、感染拡大の緊急性は低いです。
国試ポイント
高齢者施設における感染症対策では、特に感染力の高い疾患に対する適切な隔離や予防策の知識が問われます。角化型疥癬の高い感染性とそれに対する厳重な対応の必要性を理解しているかが重要です。
混同注意
通常の疥癬と角化型疥癬の感染力の違い。また、他の一般的な皮膚感染症(白癬、皮膚カンジダ症など)との感染拡大リスクの比較。
次に同じ論点が出たら
角化型疥癬の診断が確定した場合、看護師として具体的にどのような感染対策を立案・実行すべきか。
関連知識
通常の疥癬の症状と治療、感染経路。水痘・帯状疱疹の感染経路と予防策。MRSAなどの耐性菌感染症対策。