胸腔ドレーン挿入中の患者の看護で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
胸腔ドレーンは体内に挿入されており、感染管理が非常に重要です。ドレーンチューブに触れた後は、手指に付着した可能性のある病原体を患者へ伝播させないため、また、自身の感染リスクを低減させるためにも、手指衛生を徹底する必要があります。これは医療安全の基本です。
選択肢ごとの解説
- 1. ミルキングは必要に応じて医師の指示のもとで行われる手技であり、一概に禁忌とは言えません。むしろ、ドレーンの閉塞を防ぎ、排液を促すために実施されることがあります。正しくは:ミルキングは、必要に応じて医師の指示のもとで実施を検討する。選びやすい理由:ドレーン操作は患者への影響が大きいため、安易な操作を避けるべきだという考えから、禁忌であると誤解しやすい。混同注意:吸引圧の調整やドレーン抜去時の対応など、医師の指示が必須な他の操作と混同しやすい。
- 2. 胸腔ドレーンは通常、胸腔内の陰圧を維持し、貯留物や空気を排出するために挿入されます。持続的に陽圧を示す場合は、排液不良や空気漏れなど異常を示唆する可能性があり、陰圧を維持しているかを観察します。正しくは:胸腔内が陰圧に保たれているか、水封室の液面の呼吸性変動などを観察する。選びやすい理由:「陽圧」という言葉が、何か問題が起きている状態を示すのではないかと誤って捉え、観察すべき重要事項だと感じてしまう。混同注意:人工呼吸器管理における気道内圧の観察など、他の医療処置における「陽圧」の概念と混同しやすい。
- 3. 正解。胸腔ドレーンは体内と交通しており、感染リスクが高い医療器具です。チューブに触れることで微生物が付着する可能性があるため、交差感染を防ぐために手指衛生の徹底は極めて重要です。選びやすい理由:感染予防の基本原則であり、一般的な医療行為として正しいと判断できる。混同注意:特別な処置ではなく、基本的な感染管理であるため、かえって見落としがちになることもあるかもしれない。
- 4. ドレーンバッグを挿入部より高い位置に設置すると、排液が逆流し、胸腔内感染のリスクが高まります。排液は重力によって自然に流れるため、ドレーンバッグは常に挿入部より低い位置に設置する必要があります。正しくは:ドレーンバッグは、排液の逆流を防ぐため、挿入部よりも低い位置に設置する。選びやすい理由:輸液バッグや点滴スタンドの高さと混同し、高い位置に設置するイメージを持つことがある。あるいは、排液がしっかり流れるようにと、あえて高く設置する方が良いと誤解する。混同注意:点滴輸液や薬剤投与で使用する輸液バッグの設置位置と混同しやすい。また、膀胱留置カテーテルの尿バッグも同様に低い位置に設置するため、その知識と混同してしまいやすい。
国試ポイント
胸腔ドレーン管理における基本的な感染予防策と、その他の重要な管理ポイント(排液の管理、合併症予防)の理解を問う問題です。実践的な知識が求められます。
混同注意
胸腔ドレーン管理における「ミルキングの適応」、「胸腔内圧の正常な観察所見」、「ドレーンバッグの適切な設置位置」といった、それぞれが個別の重要事項として混同されやすい選択肢が並んでいます。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、胸腔ドレーンの基本原理(水封、陰圧維持)と、それに伴う看護観察項目(水封室の変動、排液性状・量、空気漏れ)が問われると予想されます。また、緊急時の対応(ドレーン抜去、チューブの閉塞、破損など)も重要です。
関連知識
胸腔ドレーンの目的(気胸、血胸、胸水など)、水封原理と水封室の呼吸性変動、排液量の観察、空気漏れの有無の確認方法、ドレーン抜去時の注意点、合併症(感染、皮下気腫、再膨張性肺水腫など)の徴候と対応。