精神障害者のリカバリ〈回復〉について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
精神障害者のリカバリーにおいて、その人が持つ強み(ストレングス)に着目し、それを最大限に引き出し活用することで、自己決定に基づいた回復を支援するストレングスモデルは重要なアプローチです。リカバリーは、単に症状がなくなることだけを指すのではなく、病気を抱えながらも自分らしい人生を送ることを目指す、個人的で非直線的なプロセスを意味します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。リカバリーは、利用者の強み(ストレングス)に着目し、それを活用しながら回復を支援するストレングスモデルの考え方を基盤としています。正しくは:この記述はリカバリーの概念と合致しており、適切です。選びやすい理由:リカバリーは医学的治療だけでなく、社会復帰や自己実現を目指す包括的なプロセスです。混同注意:ストレングスモデルは問題点だけでなく、個人の持つ潜在能力や資源に焦点を当てるアプローチです。
- 2. リカバリーの過程は直線的ではなく、後退や停滞、再発なども含みながら進む、波のある非直線的なものです。正しくは:リカバリーは波があり、非直線的な過程です。選びやすい理由:一般的な目標達成のイメージとは異なり、精神的な回復は段階的に進むとは限りません。混同注意:リカバリーは個人的な意味を見出し、成長していく過程であり、常に前進するとは限りません。
- 3. リカバリーは、精神疾患の発症時や診断時、あるいは症状が十分に寛解していない段階からでも開始され得るもので、症状の有無に関わらず個人的な意味付けや自己決定を重視します。正しくは:リカバリーは精神疾患の発症時や診断時から開始されることがあります。選びやすい理由:医学的な「回復」という言葉のイメージに引きずられると、症状の改善が起点だと誤解しやすいです。混同注意:リカバリーは疾患の有無に関わらず、個人が希望に満ちた有意義な人生を送ることを目指すプロセスです。
- 4. リカバリーは、本人だけでなく、家族、友人、支援者、地域社会など、多様な人々との関係性の中で育まれるものであり、孤立して達成するものではありません。正しくは:リカバリーは、支援者や地域社会と協力して達成を目指すものです。選びやすい理由:本人の主体性が非常に重要ですが、それは周囲からの孤立を意味しません。混同注意:リカバリーは個人の主体性を尊重しますが、それを支援する環境や人間関係が不可欠です。
- 5. 病識の獲得はリカバリーの一側面ではありますが、リカバリーの全体像ではありません。リカバリーは、病識の有無を超えて、人生の意味や目的を見出し、自己実現を目指す広範なプロセスです。正しくは:リカバリーは、病識の有無を超えて、人生の意味や目的を見出す過程です。選びやすい理由:病識は治療や自己管理に重要ですが、リカバリーはそれよりも広い概念です。混同注意:リカバリーは、病気によって失われたと感じるものが何かを再定義し、新しい意味を見出すプロセスです。
国試ポイント
精神障害者のリカバリーの概念と、それを支援するストレングスモデルについて正しく理解しているかが問われています。リカバリーは、単なる症状の寛解にとどまらず、個人の主体性、強み、社会とのつながりを重視する包括的なプロセスであることを理解しておく必要があります。
混同注意
「回復」という言葉が、医学的な「治癒」や「寛解」と混同されやすい点。リカバリーは、医学的視点だけでなく、社会復帰や自己実現、個人的な意味の再構築といった多角的な視点を含むため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この問題でリカバリーの概念を理解したら、具体的な支援方法や多職種連携における看護師の役割について、さらに学習を深めることが求められます。
関連知識
リカバリー志向の実践、ピアサポート、リカバリーモデルと医学モデルの違い、ストレングスモデルの具体的な活用方法、リカバリーへの多職種連携。DSM-5の多軸診断から、より包括的な視点への移行も背景にある。