腸閉塞について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
腸閉塞(イレウス)の治療では、腸管内の貯留物やガスを吸引し、腸管の減圧を図るためにイレウス管を挿入し、胃を通過させて小腸まで進めて留置することがあります。これにより、腹部膨満や嘔吐を軽減し、腸管の安静を保つことができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 腸閉塞における鏡面像(ニボー)は、立位または半坐位の腹部X線写真で確認される所見です。腸管内の液体とガスの境界が水平に見える現象を指します。仰臥位では液体とガスが混ざり合い、この所見は明確には得られません。正しくは:仰向けで撮影した腹部X線画像において鏡面像が見られる。→立位で撮影した腹部X線画像において鏡面像が見られる。選びやすい理由:「腹部X線写真で鏡面像」というキーワードは腸閉塞の診断に重要であるため、一見正しい選択肢に見えますが、撮影体位が不適切である点を見落としやすいです。混同注意:鏡面像(ニボー)が腸閉塞の典型的なX線所見であることは知っていても、どの体位で撮影した場合に見られるかまで正確に把握していないと誤解しやすいです。
- 2. 腸閉塞の患者では、腸管の通過障害があるため、経口での水分摂取は基本的に禁忌です。摂取された水分は腸管内に貯留し、腹部膨満や嘔吐を悪化させ、腸管内圧をさらに上昇させる危険性があります。正しくは:口からの水分摂取は少量にとどめる。→口からの水分摂取は原則中止する。選びやすい理由:「少量」であれば大丈夫、と考えてしまいがちですが、腸閉塞では原則として消化管の安静が求められます。混同注意:軽度の症状や術後など、一部の状況では少量摂取が許される場合もありますが、典型的な腸閉塞では禁忌であることを混同しやすいです。
- 3. 正解。腸閉塞の治療において、保存的治療の一つとしてイレウス管の留置が行われます。イレウス管は、鼻や口から挿入され、胃を通過して小腸まで進められ、腸管内の貯留物(消化液やガス)を吸引・排出することで、腸管の減圧を図り、症状の緩和や自然排便の促進を目指します。留置部位は閉塞部位によって異なりますが、一般的には小腸内を目標とします。選びやすい理由:イレウス管の留置は腸閉塞治療の重要な選択肢の一つであり、適切な処置です。混同注意:イレウス管は胃まで留置される場合(胃管)と、小腸まで留置される場合があるため、その区別で迷う可能性がありますが、腸閉塞治療においては小腸まで進めるのが一般的です。
- 4. 腸閉塞では、腸管壊死や穿孔、腹膜炎などの合併症を予防または治療するために、しばしば抗菌薬の投与が行われます。特に、絞扼性腸閉塞や発熱・炎症反応を伴う場合、細菌の異常増殖が疑われる場合には、積極的に抗菌薬が用いられます。したがって、禁忌ではありません。正しくは:抗菌薬の投与は避けるべきである。→合併症予防や治療のために抗菌薬が投与されることがある。選びやすい理由:薬物療法は基本的に症状緩和や合併症予防のためであるため、原因治療ではないと誤解し、抗菌薬は不要と判断してしまう可能性があります。混同注意:非絞扼性腸閉塞で合併症がない場合は必ずしも必要ではありませんが、合併症の危険性がある場合は重要であるため、一概に禁忌と捉えるのは誤りです。
国試ポイント
腸閉塞の診断における画像所見(X線撮影時の体位)、保存的治療の基本(消化管の安静、減圧処置)、および合併症に対する処置(抗菌薬の適応)について正確な知識が問われています。
混同注意
腸閉塞の治療法として、消化管の安静、補液、イレウス管による減圧などが挙げられます。各治療法の詳細や適応について混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
腸閉塞の病態と治療法を理解しているか。
関連知識
腸閉塞の種類(機械的、機能的)、症状(腹痛、嘔吐、腹部膨満、排ガス・排便停止)、診断(身体所見、腹部X線、CT)、治療(保存的治療、手術)について関連付けて学習することが重要です。