Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く、年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。 Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温36.9°C、呼吸数36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92 %であった。Aちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Aちゃんの症状は、「苦しくて眠れない」「口元での喘鳴が著明」「途切れ途切れに話す」「呼吸数36回/分(頻呼吸)」「心拍数120回/分(頻脈)」「SpO₂92%」であり、これらは気管支喘息の重症度分類における中発作の基準に合致します。特に、会話が途切れ途切れであること、SpO₂が92%であることは中発作の重要な指標です。
選択肢ごとの解説
- 1. 小発作では、呼吸困難は軽度で、会話が途切れることはなく、喘鳴も軽度である場合が多いです。また、SpO₂が92%と低く、心拍数120/分、呼吸数36/分と頻脈・頻呼吸であることから、小発作よりも重いと考えられます。正しくは:呼吸困難が軽度で会話可能、喘鳴は中等度以下、SpO₂が95%以上の場合に該当します。選びやすい理由:症状が発現したばかりという情報から軽度と誤解する可能性がありますが、夜間に救急外来を受診し、途切れ途切れにしか話せないなどの具体的な症状が重症度を示しています。混同注意:症状の軽重の判断を誤ると、小発作と判断してしまう可能性があります。
- 2. 正解。Aちゃんの症状は、「苦しくて眠れない」という訴え、口元での著明な喘鳴、途切れ途切れの会話、呼吸数36回/分(頻呼吸)、心拍数120回/分(頻脈)、SpO₂92%(低酸素血症)という特徴を示しています。これらは、気管支喘息の重症度分類において中発作に相当する所見です。特に、会話の途切れ、著明な喘鳴、SpO₂の低下が中発作の重要な指標となります。正しくは:提示された情報に基づくと、中発作の基準を多く満たしています。選びやすい理由:重症度分類の各段階の具体的な指標を覚えていないと、判断に迷う可能性があります。混同注意:大発作との境界が曖昧に感じられるかもしれませんが、SpO₂が92%であり、会話が「途切れ途切れ」で完全に「困難」ではない点が中発作の範囲とされます。
- 3. 大発作の場合、会話はさらに困難になり(単語しか話せない、意識レベルの低下)、喘鳴はさらに強く、呼吸困難は著明で起座呼吸を伴うことが多いです。また、SpO₂はさらに低く(通常90%未満)、チアノーゼが見られることがあります。Aちゃんの症状はまだそこまで進行していません。正しくは:会話が単語レベル、チアノーゼ出現、意識レベル低下、SpO₂90%未満などの症状が見られる場合に該当します。選びやすい理由:「苦しくて眠れない」「喘鳴著明」「途切れ途切れに話す」といった重い訴えから、大発作と誤認する可能性があります。混同注意:中発作と大発作の具体的な境界線となる指標(会話のレベル、SpO₂の値など)を混同すると、間違える可能性があります。
- 4. 気管支喘息の発作強度は、一般的に小発作、中発作、大発作といった分類が用いられます。「呼吸不全」という表現は、喘息発作の重症度分類としては一般的ではありません。正しくは:気管支喘息の発作強度は、臨床症状とバイタルサインに基づき小発作、中発作、大発作などに分類されます。この選択肢は適切な分類名ではありません。選びやすい理由:呼吸困難があるため呼吸不全という言葉に引きつけられるかもしれませんが、具体的な数値を含むこのような分類は喘息発作には用いられません。混同注意:呼吸困難や低酸素血症という状態から、呼吸不全という言葉自体には関連性があるため、迷う可能性がありますが、発作強度の分類名として適切ではないことに注意が必要です。
国試ポイント
気管支喘息の発作重症度分類(小発作、中発作、大発作)の具体的な臨床症状とバイタルサインの対応を正確に理解しているかが問われています。特に、呼吸困難の程度(会話の状況)、喘鳴の有無・強度、呼吸数、心拍数、SpO₂の値が重要です。
混同注意
小発作と中発作、中発作と大発作の境界線となる症状(特に会話の程度やSpO₂の値)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
中発作と判断した後の初期対応として、酸素投与や気管支拡張薬の吸入、医師への報告、患者・家族への安心感の提供が求められます。
関連知識
気管支喘息の治療薬(短時間作用型β₂刺激薬、ステロイドなど)とその使用タイミング、救急時の看護対応(体位、酸素投与、環境整備など)。