ヘリコバクター・ピロリ感染症で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
尿素呼気試験は、ヘリコバクター・ピロリが産生するウレアーゼによって尿素が分解され、呼気中の二酸化炭素濃度が上昇することを利用した、簡便かつ精度の高い診断法です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。尿素呼気試験は、ヘリコバクター・ピロリが持つウレアーゼという酵素が尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する性質を利用した検査で、診断に非常に有用です。正しくは:正しい選択肢のため修正不要です。選びやすい理由:他の検査法(内視鏡検査、便中抗原検査、血液抗体検査など)と混同しやすいが、尿素呼気試験も重要な診断法であることを理解しておく必要があります。混同注意:胃内視鏡検査を伴わない非侵襲的検査として、スクリーニングや除菌判定に広く用いられています。
- 2. 除菌治療後の判定は、薬剤の影響を排除し、ヘリコバクター・ピロリが本当にいなくなったかを確認するために、治療終了後少なくとも4週間以上経過してから行うのが一般的です。翌日では偽陰性となる可能性があります。正しくは:除菌治療後、少なくとも4週間以上経過してから判定を行うのが適切です。選びやすい理由:早く結果を知りたいという心理から、すぐに判定したくなるかもしれませんが、正確な判定には時間が必要です。混同注意:除菌治療は抗生物質とプロトンポンプ阻害薬(PPI)を併用するため、これらの薬剤が残存している間に検査を行うと、正確な結果が得られないことがあります。
- 3. ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の粘膜表面の粘液層、または粘膜上皮細胞の表面に主に生息しています。粘膜下層は血管や神経が走行する層であり、通常生息場所ではありません。正しくは:ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の粘膜表面の粘液層や粘膜上皮細胞の表面に生息します。選びやすい理由:胃の構造に関する知識が曖昧だと、どの層に生息するかを間違えやすいです。混同注意:ピロリ菌は胃酸から身を守るために粘液層に潜り込みますが、粘膜下層まで深く侵入することはありません。
- 4. ヘリコバクター・ピロリ菌は、尿素を『分解』してアンモニアを生成し、そのアンモニアによって胃酸を中和し、自身を守っています。尿素を生成するわけではありません。正しくは:ヘリコバクター・ピロリ菌は、ウレアーゼという酵素で尿素を『分解』し、生成されたアンモニアで胃酸を中和して身を守っています。選びやすい理由:尿素が関与することは正しいですが、生成と分解を混同しやすいです。混同注意:尿素呼気試験の原理と混同しやすい点です。菌が持つウレアーゼ酵素の働きを正確に理解することが重要です。
国試ポイント
ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断法、除菌治療後の判定時期、菌の生息場所、および胃酸防御機構に関する正確な知識が問われています。特に、検査の原理と除菌判定のタイミングは重要です。
混同注意
尿素呼気試験とその他の診断法(便中抗原、血液抗体、内視鏡検査など)、尿素の「生成」と「分解」、粘膜層と粘膜下層の区別などが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
ヘリコバクター・ピロリ感染が確認された患者に対し、適切な除菌療法を提案し、その後の除菌成功判定までのフォローアップ計画を立案できるか。
関連知識
ヘリコバクター・ピロリは慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんのリスク因子であり、除菌治療はこれらの疾患の予防や治療に重要です。WHOにより発がん物質に分類されています。