妊娠37週の妊婦の胎児心拍数陣痛図の所見で正常なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
妊娠37週の胎児の正常な心拍数基線は110〜160bpmの範囲です。この範囲内であれば、胎児心臓の拍動が適切であることを示します。他の選択肢は、正常な胎児心拍数陣痛図の所見としては不適切です。胎児心拍数基線細変動は存在することが正常であり、一過性頻脈は胎児のwell-beingを示す所見です。一過性徐脈は一般的に胎児機能不全を示唆する所見であり、正常とはみなされません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。妊娠37週の正期産の胎児心拍数基線の正常範囲は110〜160bpmとされています。この範囲を逸脱する場合は、胎児の状態に何らかの問題がある可能性が示唆されます。
- 2. 胎児心拍数基線細変動は、胎児の中枢神経系と自律神経系が正常に機能していることを示す重要な指標であり、正常な胎児には必ず認められます。基線細変動がない、あるいは減少している場合は、胎児の低酸素状態や中枢神経系の抑制が疑われます。正しくは:胎児心拍数基線細変動を認めること。選びやすい理由:変化がない方が安定していると誤解しやすい。混同注意:一過性頻脈や徐脈のようなマクロな変化と混同しがち。
- 3. 一過性頻脈(加速)は、胎児が胎動する際などに一時的に心拍数が増加する現象で、胎児の健康状態が良いことを示すポジティブな所見です。正常な胎児には一過性頻脈が頻繁に認められます。正しくは:一過性頻脈を認めること。選びやすい理由:頻脈という言葉から異常と誤解しやすい。混同注意:遷延性頻脈(持続的な頻脈)や変動一過性徐脈(変動を伴う遅発一過性徐脈)と混同しやすい。
- 4. 一過性徐脈は、胎児心拍数が一時的に減少する現象であり、遅発一過性徐脈や変動一過性徐脈は胎児へのストレスや低酸素状態を示す異常所見です。正常な胎児では、通常、一過性徐脈は認められません(ただし、早期一過性徐脈は子宮収縮と同期して起こり、軽度であれば生理的とされる場合もあるが、この選択肢では「認める」と断定されており、異常を示唆するニュアンスが強い)。正しくは:一過性徐脈を認めないこと。選びやすい理由:「一過性」という言葉から生理的な現象と誤解しやすい。混同注意:一過性頻脈(加速)が正常であることと混同しやすい。早期一過性徐脈は生理的とみなされる場合もあるが、胎児機能不全の指標とはならない。
国試ポイント
胎児心拍数陣痛図(CTG)の正常な判読基準、特に基線心拍数、基線細変動、一過性頻脈、一過性徐脈に関する基本的な知識が問われています。それぞれの所見が胎児の状態にどのように関連するかを理解しているかが重要です。
混同注意
胎児心拍数基線細変動がないこと(異常)と、一過性頻脈がないこと(異常)を混同しやすい。また、一過性頻脈が正常であることと、一過性徐脈が異常であることの区別も重要。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、CTGの各要素(基線心拍数、基線細変動、一過性頻脈、一過性徐脈)の正常範囲と異常所見、およびそれが示す胎児の状態について、正確に判断できるかを確認します。
関連知識
CTGの国際的な判読基準(FIGO分類やNICHD分類など)、基線細変動の分類(微細、中等度、消失)、一過性頻脈(加速)の定義、一過性徐脈の種類(早期、変動、遅発)とその原因、胎児well-beingの評価方法(NSTSなど)。