放射線治療で人体の吸収線量を表す単位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
放射線治療で用いられる「吸収線量」は、放射線が照射された物質(この場合は人体)の単位質量あたりに吸収されたエネルギー量を指します。この吸収線量を表す国際単位系(SI単位)はグレイ(Gy)です。1グレイは、物質1キログラムあたりに1ジュールのエネルギーが吸収された状態を示します。一方、ベクレル(Bq)は放射能、電子ボルト(eV)はエネルギーの基本単位、シーベルト(Sv)は放射線による生体影響の度合いを考慮した等価線量や実効線量の単位であり、吸収線量とはそれぞれ異なる概念です。
選択肢ごとの解説
- 1. ベクレル(Bq)は放射能の単位であり、放射性物質が1秒間に崩壊する原子核の数(放射線を出す能力)を示します。放射線が人体に吸収されるエネルギー量を直接示すものではありません。正しくは:放射能の単位であり、放射性物質の崩壊数や放出される放射線量を示す際に用いられます。選びやすい理由:放射線に関連する一般的な単位として知られているため、選択肢として選びやすいかもしれませんが、吸収線量とは概念が異なります。混同注意:放射線の量を示す単位として「吸収線量」と「放射能」の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 2. 電子ボルト(eV)は原子や分子レベルでの非常に小さなエネルギーを示す単位です。放射線のエネルギー量を表す基本的な単位の一つではありますが、人体が吸収する放射線量全体を表現する「吸収線量」の単位としては用いられません。正しくは:放射線の個々の粒子のエネルギーを表す際に用いられることがありますが、吸収線量の定義に直接用いられる単位は別のものです。選びやすい理由:「エネルギー」という言葉から、放射線が人体に与えるエネルギーと結びつきやすいですが、吸収線量の正式な単位ではありません。混同注意:放射線の「エネルギー」と「吸収線量」という概念が混同しやすいです。
- 3. 正解。グレイ(Gy)は「吸収線量」の単位であり、放射線が物質(人体を含む)1キログラムあたりに吸収されたエネルギー量(ジュール)を正確に示します。放射線治療では、治療部位にどれだけの放射線エネルギーが吸収されたかをGyで表します。
- 4. シーベルト(Sv)は「等価線量」や「実効線量」の単位であり、放射線の種類や組織の種類による生物学的影響の違いを考慮した線量です。吸収線量(Gy)に、放射線の種類ごとの線量係数(放射線加重係数)を乗じて算出されます。正しくは:放射線による人体への確率的影響(がんや遺伝的影響)のリスクを評価する際に用いられる単位であり、吸収線量そのものではありません。選びやすい理由:放射線による人体への影響を評価する単位として広く知られており、吸収線量と混同しやすいですが、物理的なエネルギー吸収量とは異なる概念です。混同注意:「吸収線量(Gy)」と「等価線量・実効線量(Sv)」の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。Gyは物理的なエネルギー吸収量、Svは生物学的影響度を示す概念です。
国試ポイント
放射線に関する基本的な単位(吸収線量、等価線量・実効線量、放射能など)とその意味を正確に理解しているかが問われるポイントです。特に、GyとSvの違いは看護師国家試験で頻繁に出題される重要な知識です。
混同注意
放射線関連の単位は多岐にわたり、それぞれが示す物理量や意味が異なります。Bq(放射能)、Gy(吸収線量)、Sv(等価線量・実効線量)は特に混同されやすいです。Bqは放射性物質の量、Gyは物理的なエネルギー吸収量、Svは生体への影響度合いを示すという違いを明確に理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、単に単位名称を覚えるだけでなく、それぞれの単位がどのような物理量や概念を表しているのか、その定義と意味を理解しているかを問われます。特に、GyとSvの使い分けや計算方法に関する問題にも対応できるように準備しておきましょう。
関連知識
放射線防護の三原則(時間、距離、遮蔽)、自然放射線と人工放射線の違い、放射線被ばくの種類(外部被ばく、内部被ばく)、放射線の生物学的影響(確定的影響、確率的影響)についても関連知識として押さえておく必要があります。