直流除細動器の使用目的はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
直流除細動器は、心室細動や無脈性心室頻拍といった重篤な致死性不整脈に対して使用されます。これらの不整脈は心臓が無秩序に震えている、あるいは電気活動があってもポンプ機能が停止している状態であり、心臓から血液を送り出すことができません。除細動器から電気ショックを与えることで、心臓全体の電気活動を一時的に停止させ、心臓のペースメーカーである洞結節からの正常な電気信号が再開し、洞調律が回復することが期待されます。これにより、心臓のポンプ機能が回復し、全身への血液循環が再開されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 直流除細動器は心臓の電気的活動異常を是正することで、結果的に血行動態が改善し血圧が安定することはありますが、血圧上昇自体を直接の目的とする医療機器ではありません。正しくは:心室細動や無脈性心室頻拍からの洞調律回復選びやすい理由:重篤な不整脈では心拍出量低下により血圧が低下するため、これを改善する目的と誤解しやすいですが、血圧上昇は二次的な結果です。混同注意:除細動後の血行動態改善と、血圧を直接的に上げる昇圧剤の使用目的を混同しやすいです。
- 2. 直流除細動器は心臓の電気的活動を正常化させるための機器であり、呼吸機能を直接的に促進するものではありません。呼吸機能の管理は人工呼吸器や薬剤など別の方法で行われます。正しくは:心室細動や無脈性心室頻拍からの洞調律回復選びやすい理由:心停止状態では呼吸も停止するため、心肺蘇生全体の一部として呼吸促進も除細動の目的だと誤解する可能性があります。混同注意:心肺蘇生法(CPR)全体の目的と、除細動器単体の目的を混同しやすいです。
- 3. 直流除細動器は心臓の電気的活動を正常化させる機器であり、体温を直接的に上昇させる機能はありません。体温管理は加温器や温かい輸液など、別の医療処置で行われます。正しくは:心室細動や無脈性心室頻拍からの洞調律回復選びやすい理由:重度の不整脈や心停止が低体温によって引き起こされることがあるため、関連性を感じて選択しやすいかもしれません。混同注意:除細動後の全身管理の一部としての体温管理と、除細動器自体の機能を混同しやすいです。
- 4. 正解。直流除細動器は、心室細動や無脈性心室頻拍といった致死性不整脈に対し、強力な電気ショックを心臓全体に与えることで、心臓の異常な電気活動を一時的に停止させ、心臓本来の正常なリズム(洞調律)を再開させることを目的としています。
国試ポイント
直流除細動器の最も直接的で主要な目的、すなわち致死性不整脈(心室細動、無脈性心室頻拍)からの洞調律回復について問われることが多いです。他の蘇生処置(CPR、薬剤投与など)との違いや、電気的除細動の原理を理解しているかが問われます。
混同注意
除細動とカルディオバージョン(同期電気ショック)の適応の違い。除細動は心室細動などの緊急性が高い不整脈に対し、R波に同期させずに電気ショックを与えるのに対し、カルディオバージョンは心房細動や心房粗動、心室頻拍(脈あり)など、R波に同期させて電気ショックを与えます。また、心肺蘇生(CPR)の全体像と除細動器の役割を混同しやすいですが、除細動はCPRの一部を構成する重要な要素です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た際は、「直流除細動器」というキーワードから、心臓の電気的異常を是正する目的であることに着目し、特に致死性不整脈からの心拍再開(洞調律回復)が最も直接的な目的であることを判断基準とします。他の選択肢が心臓以外の機能や、二次的な効果を述べていないかを確認します。
関連知識
電気的除細動の適応不整脈(心室細動、無脈性心室頻拍)、AED(自動体外式除細動器)の仕組みと使用方法、マニュアル除細動器の操作、除細動後の全身管理(気道確保、呼吸管理、循環管理、意識レベルの評価)、除細動時の注意点(感電防止、周囲の安全確認)。