浮腫の原因となるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
リンパ管は、組織間液とそこに含まれるタンパク質を回収し、リンパ液として血管系に戻す役割を担っています。このリンパ還流が何らかの原因で滞ると、組織間液が貯留し、浮腫が発生します。特にタンパク質が組織間に蓄積すると、組織の膠質浸透圧が上昇し、さらに水分を引き込んで浮腫を悪化させます。
選択肢ごとの解説
- 1. 膠質浸透圧の上昇は、血管内の水分を引き込む力を強めるため、浮腫を軽減する方向に働きます。膠質浸透圧の低下が浮腫の原因となります。正しくは:膠質浸透圧の低下選びやすい理由:膠質浸透圧の変化が浮腫に関与することは理解しているが、その方向性を混同しやすい。混同注意:血管外への水分移動は、血管内の膠質浸透圧が低い場合に起こりやすくなります。
- 2. 正解。リンパ系は組織間液を回収し、血管内へ戻す重要な役割を担っています。リンパ還流が不全になると、組織間液が貯留し、浮腫が発生します。正しくは:リンパ還流の不全選びやすい理由:リンパ浮腫は特定の疾患として認識されるが、浮腫の原因全体の一つとして捉える必要がある。混同注意:血管からの水分漏出だけでなく、回収系の障害も浮腫の原因となることを理解しているか。
- 3. 毛細血管内圧が低下すると、血管から組織への水分移行が減少し、むしろ浮腫は起こりにくくなります。毛細血管内圧の上昇が浮腫の原因となります。正しくは:毛細血管内圧の上昇選びやすい理由:圧力の変化が浮腫に関わることは理解しているが、内圧の方向性を誤解しやすい。混同注意:血管内の圧力が高いほど、水分が血管外へ押し出されやすくなります。
- 4. 毛細血管の透過性が低下すると、血管から組織への水分やタンパク質の漏出が抑制され、浮腫は起こりにくくなります。透過性亢進が浮腫の原因となります。正しくは:毛細血管透過性の上昇(亢進)選びやすい理由:透過性の変化が浮腫に関与することは知っているが、その影響の方向性を混同しやすい。混同注意:透過性が高いほど、血管の壁を物質が通過しやすくなり、浮腫につながります。
国試ポイント
浮腫の発生機序(スターリングの法則)と、それを構成する因子(毛細血管内圧、血漿膠質浸透圧、組織間液膠質浸透圧、毛細血管透過性、リンパ還流)の理解が問われています。それぞれの因子がどのように変化すると浮腫が促進されるかを正確に把握しておくことが重要です。
混同注意
各選択肢が示す因子の変化が、浮腫に対して促進的に働くのか抑制的に働くのかを正確に判断することが難しい場合があります。特に「上昇」と「低下」のどちらが原因となるのかを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
個々の疾患における浮腫の発生機序を説明できるようになること。例えば、心不全ではどのような機序で浮腫が生じるのか、ネフローゼ症候群ではどうか、といった具体的なケーススタディを通して理解を深めることが求められます。
関連知識
スターリングの法則、リンパ浮腫、心不全による浮腫、腎疾患による浮腫、肝硬変による浮腫、炎症による浮腫、アレルギー性浮腫。これらはそれぞれ異なる主たる機序で浮腫を発生させますが、根本的にはスターリングの法則のいずれかの因子が関与しています。