鮮紅色の下血が見られた時の出血部位で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
鮮紅色の下血は、消化酵素の影響をほとんど受けずに排出された血液であり、出血源が肛門に近い下部消化管、特に直腸や肛門からのものである可能性が高いです。上部消化管(胃、食道、十二指腸など)からの出血は、消化酵素によって血液中のヘモグロビンが変化し、黒色便(タール便)として排出されるのが一般的です。ただし、上部消化管からの大量出血で腸管通過時間が極端に速い場合は、鮮紅色の下血となることもあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃からの出血は、消化液と混じることで黒色便(タール便)として排出されることが一般的です。正しくは:胃からの出血は黒色便として現れることが多いです。選びやすい理由:上部消化管からの出血も下血として表現されることがあるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:胃潰瘍や胃がんなどによる出血と、その際の便の色が混同されやすいです。
- 2. 食道からの出血も、通常は胃からの出血と同様に黒色便(タール便)として現れるか、吐血として見られます。鮮紅色の下血とは直接結びつきにくいです。正しくは:食道からの出血は吐血として現れるか、消化されることで黒色便となることが多いです。選びやすい理由:上部消化管の一部であり、出血源となる疾患もあるため、可能性として考えてしまうかもしれません。混同注意:消化管の部位と出血時の便の色の関連性が混同されやすいです。
- 3. 正解。直腸からの出血は、肛門に近く消化酵素の影響をほとんど受けないため、鮮やかな赤色のまま便として排出されやすいです。特に排便時に便の表面に付着したり、便器に滴下する形で見られることが多いです。選びやすい理由:下部消化管からの出血であるため、判断しやすいですが、他の部位との鑑別が重要です。混同注意:痔からの出血と混同されやすいですが、直腸からの出血も鮮紅色です。
- 4. 十二指腸は小腸の最初の部分であり、ここからの出血は消化酵素の影響を受けやすく、通常は黒色便(タール便)として排出されることが多いです。大量出血の場合は鮮血に近い下血となることもありますが、一般的ではありません。正しくは:十二指腸からの出血は黒色便として現れることが一般的です。選びやすい理由:小腸の最初の部分であり、胃と連続しているため、上部消化管出血の可能性を考えてしまうかもしれません。混同注意:小腸からの出血は必ずしも黒色便とは限らないという点と、十二指腸からの出血がほとんど黒色便であるという点が混同されやすいです。
国試ポイント
消化管のどの部位からの出血が、どのような便の性状(色、形)として現れるかという基礎知識が問われています。特に、鮮血便、黒色便(タール便)、粘血便などの区別とその原因部位を理解しているかが重要です。
混同注意
上部消化管からの大量出血による下血と、下部消化管からの出血(特に直腸・肛門)による鮮紅色の下血。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、便の色と消化管のどの部位が対応するか、消化酵素による血液の変化を理解しているかを確認します。また、出血量や腸管通過時間による変化の例外的なパターンも考慮に入れる必要があります。
関連知識
黒色便(タール便): 胃、十二指腸など上部消化管からの出血。コーヒー残渣様吐物: 胃からの出血。粘血便: 大腸炎、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎など。暗赤色便: 小腸や上行結腸からの出血。