手術予定の患者が服用している場合、安全のために術前の休薬を検討するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
抗血小板薬は血小板凝集を抑制し、止血機能を低下させるため、術中の出血リスクを増大させます。特に観血的な手術においては、術野からの出血が止まりにくくなることで、手術の安全性や予後に重大な影響を及ぼす可能性があるため、術前には一時的な中止を検討する必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 鉄剤は貧血治療に用いられますが、直接的な止血機能への影響は少なく、術中の出血リスクを増大させることはありません。むしろ、貧血改善のために継続が推奨されることもあります。選びやすい理由:一般的な内服薬であるため、何となく休薬が必要かと考えてしまう可能性がある。混同注意:特に混同しやすい薬剤はありませんが、術前内服薬全般に対して漠然とした不安を抱くことによる選択。
- 2. 正解。抗血小板薬は血小板凝集を抑制し、出血時間を延長させるため、術中の出血リスクを増大させる可能性があります。そのため、手術の種類や出血リスクに応じて術前に一時的な中止を検討します。選びやすい理由:この選択肢が正しいと明確に理解していれば迷わない。混同注意:抗凝固薬(ワーファリン、DOACなど)も術前休薬の対象となる薬剤であり、出血リスクの観点から共通の判断軸を持つ。
- 3. 冠血管拡張薬(例:硝酸薬)は冠動脈を拡張させ、心筋への酸素供給を改善する薬剤です。術前に中止すると狭心症発作のリスクが高まる可能性があり、通常は継続が推奨されます。出血リスクとは直接関係しません。選びやすい理由:心臓病に関連する薬剤であるため、手術という大きなストレスがかかる状況で中止すべきではないかという不安から選択してしまう。混同注意:血圧降下作用があるため、麻酔導入時の血圧変動を懸念して中止を検討する薬剤と混同しやすいが、通常は継続である。
- 4. プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃酸分泌を抑制し、胃潰瘍や逆流性食道炎などの治療に用いられます。出血リスクには影響せず、周術期のストレス潰瘍予防のために継続されることもあります。選びやすい理由:一般的な内服薬であり、手術前に多くの薬が中止されるという漠然とした情報から、これも中止対象と誤解しやすい。混同注意:術前の消化器系への配慮が必要な薬剤(例:下剤など)と混同しやすいが、作用機序が異なる。
国試ポイント
手術を控えた患者の術前管理において、出血リスクに影響を与える薬剤の理解と適切な対応が重要です。
混同注意
抗血小板薬と抗凝固薬はどちらも出血リスクを上昇させる薬剤ですが、作用機序が異なります。抗血小板薬は血小板機能に作用し、抗凝固薬は凝固因子に作用します。ただし、いずれも術前の休薬が検討される薬剤です。
次に同じ論点が出たら
同様の術前休薬に関する問題が出た場合は、薬剤の作用機序が出血リスクにどう影響するか、またその薬剤の半減期や作用持続時間も考慮して判断します。
関連知識
ワーファリン(抗凝固薬)などの抗凝固薬も術前に休薬を考慮すべき薬剤であり、その場合はPT-INRなどの凝固能検査でコントロールされているか確認が必要です。DOAC(直接経口抗凝固薬)も同様に出血リスクに応じて休薬期間が設定されます。冠血管拡張薬は術中に血圧を変動させる可能性はありますが、一般的に術前中止の必要性は低いです。