ハヴィガースト, R. J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
R.J.ハヴィガーストは、人生をいくつかの段階に分け、それぞれの段階で達成すべき発達課題を提唱しました。成人期(特に青年期後期から壮年期)の発達課題には、「職業を開始し、維持すること」「配偶者を選択し、結婚生活を学ぶこと」「家族を形成し、子どもを養育すること」「家庭を管理すること」「市民的責任を果たすこと」などが含まれます。経済的な自立は、これらの課題を達成するための基盤となるため、成人期の重要な発達課題の一つとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ハヴィガーストの理論において、成人期(特に青年期後期から壮年期)には、職業選択や家庭の維持といった経済的基盤の確立が重要な発達課題とされています。経済的自立は、これらの課題を達成するための基盤となります。
- 2. これは主に老年期(後期成人期)に焦点が当てられる発達課題です。壮年期にも身体の変化はありますが、主要な課題としては老年期の方が適切です。正しくは:「老年期において、身体的な健康の衰えに適応すること」などが老年期の発達課題として適切です。選びやすい理由:成人期全体を通して身体の変化はあるため、漠然と「成人期の課題」と捉えてしまいがちです。混同注意:壮年期における身体的変化への適応(ハヴィガーストの中年期の発達課題「中年期の生理的変化を受け入れ、適応すること」)と混同する可能性がありますが、設問の「自覚する」という表現はより老年期の「適応」に近いニュアンスを含みます。
- 3. これは主に児童期から青年期にかけて発達する課題であり、道徳性の形成に関わります。ハヴィガーストも児童期に「良心、道徳、価値尺度を形成すること」、青年期に「行動の指針となる価値体系を身につけること」を課題として挙げており、成人期にはすでに確立されているべき基礎的な能力です。正しくは:「児童期に道徳心や価値観を形成すること」などが該当します。選びやすい理由:成人になっても倫理観は磨かれると考えるかもしれませんが、基本的な善悪の区別はもっと早い段階で形成されます。混同注意:コールバーグの道徳性発達理論など、倫理観の成熟に関する理論と混同しやすいですが、ハヴィガーストの成人期課題とは異なります。
- 4. これは児童期の発達課題であり、学校教育を通じて獲得される基本的な学力です。ハヴィガーストは「読み、書き、計算といった基本的な学術技能を身につけること」を児童期の発達課題としており、成人期にはすでに習得されていることが前提となります。正しくは:「児童期に基本的な学術技能を習得すること」が該当します。選びやすい理由:現代社会では生涯学習が重要視されるため、学習自体を成人期の課題と捉えるかもしれませんが、基本的な読み書き計算は児童期の課題です。混同注意:生涯にわたる学習やスキルの習得と混同しやすいですが、設問が問うのは「基本的な」能力の習得時期です。
国試ポイント
ハヴィガーストの発達課題は、各ライフステージで達成すべき具体的な内容を理解しているか、またそれらが他の発達理論(ピアジェの認知発達、エリクソンの心理社会的発達など)のどの時期に対応するかを問う問題形式が頻出します。特に、青年期、成人期、老年期といった区分と、それぞれの具体的な課題を正確に結びつけられるかが重要です。
混同注意
エリクソンの心理社会的発達理論における成人期の課題(例:親密性 vs 孤立、生殖性 vs 停滞)と混同しやすいですが、ハヴィガーストはより具体的な行動や社会的な役割に焦点を当てています。また、生涯学習や社会貢献といった広義の「成人期の活動」と、ハヴィガーストが定義する「特定の時期に達成すべき課題」を混同しないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後類似問題が出た際には、まず「誰の(どの理論家の)発達課題か」「どのライフステージの課題か」を正確に把握することが重要です。選択肢が問う内容がその理論家の提唱した課題と一致するか、またそのライフステージに適切かを一つずつ確認しましょう。特に、「〜できる」という能力獲得の課題は早期に、社会的な役割や適応の課題は成人期以降に、身体的衰退への適応は老年期に、と大まかな傾向を掴んでおくと良いでしょう。
関連知識
エリクソンの発達段階と心理社会的課題、ピアジェの認知発達段階、コールバーグの道徳性発達段階、各ライフステージにおける身体的・精神的・社会的な発達の特徴。