出血傾向を把握するために重要なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
出血傾向を把握するには、一次止血(血小板の機能と数)と二次止血(凝固因子の働き)の両方を評価することが重要です。血小板数は一次止血の異常を、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は内因系凝固経路の異常を示すため、これら2つは出血傾向を判断する上で不可欠な検査項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 血糖値は糖尿病の診断や血糖コントロールの指標であり、直接的な出血傾向の把握には関連しません。正しくは:糖尿病の評価に用いる。選びやすい理由:様々な疾患で変動するため、一見関連があるように思えるかもしれませんが、直接的な出血指標ではありません。混同注意:血糖値が高いと細小血管障害が進行し出血しやすくなる、という間接的な関連を連想する可能性もありますが、直接的な出血傾向の指標ではありません。
- 2. 血清鉄は鉄欠乏性貧血の診断に用いられる項目であり、出血傾向を直接的に評価する指標ではありません。出血によって鉄が失われることはありますが、出血傾向を把握するための検査値ではありません。正しくは:鉄欠乏性貧血の評価に用いる。選びやすい理由:出血により貧血が進むため、間接的に関連があるように思えるかもしれませんが、出血傾向そのものを評価するものではありません。混同注意:出血が貧血の原因となるため、貧血の指標である血清鉄が出血と関連すると誤解される可能性があります。
- 3. 正解。血小板は止血機能において重要な役割を果たします。血小板数が減少すると一次止血が障害され、出血傾向(紫斑、点状出血など)が現れやすくなります。正しくは:この項目は出血傾向の直接的な指標であるため適切です。選びやすい理由:血小板は止血の初期段階に必須の要素です。混同注意:血小板機能異常と血小板数減少は異なる病態ですが、いずれも出血傾向に繋がります。
- 4. アルカリフォスファターゼ値は肝機能障害や骨疾患の指標であり、出血傾向を直接評価する項目ではありません。正しくは:肝胆道系疾患や骨疾患の評価に用いる。選びやすい理由:肝機能障害が出血傾向に関連することはありますが、アルカリフォスファターゼ単独では直接的な出血傾向の指標にはなりません。混同注意:肝機能障害と凝固因子産生の関連を連想するかもしれませんが、直接の出血傾向指標ではありません。
- 5. 正解。APTTは内因系凝固経路および共通凝固経路の異常を反映する検査であり、凝固因子の欠乏や機能低下による出血傾向の有無を評価するために重要です。正しくは:この項目は出血傾向の直接的な指標であるため適切です。選びやすい理由:APTTは凝固系の異常を評価する上で重要な指標です。混同注意:プロトロンビン時間(PT)と混同する可能性がありますが、PTは外因系および共通凝固経路を評価します。
国試ポイント
出血傾向を評価するための検査項目(血小板数、PT、APTT、フィブリノゲンなど)と、それらが評価する止血機能の段階(一次止血、二次止血)を正確に理解しているかが問われます。
混同注意
プロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の区別、また凝固系の他の検査項目(フィブリノゲン、Dダイマーなど)との違いを理解していないと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
これらの検査値に異常が見られた場合、原因疾患の特定や治療方針の決定のために、さらに詳細な凝固線溶系検査(凝固因子活性測定、血小板機能検査など)が必要となります。
関連知識
止血のメカニズム(血管収縮、血小板血栓形成、フィブリン形成)、一次止血と二次止血、それぞれの段階に関わる因子や検査項目、およびそれらの異常によって起こる疾患(血友病、DIC、特発性血小板減少性紫斑病など)。