体温のセットポイントが突然高く設定されたときに起こるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
体温のセットポイントが突然高く設定されると、身体は現状の体温をセットポイントより低いと認識し、体温を上げるための反応を起こします。立毛は皮膚表面の毛細血管を収縮させ、皮膚血流を減少させることで熱放散を防ぎ、体温を保持する方向に働きます。これはセットポイント上昇に伴う体温上昇反応の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。体温のセットポイントが上昇すると、身体は現在の体温が低いと判断し、熱を保持・産生して体温を上げようとします。立毛は皮膚表面からの熱放散を抑える働きがあり、この目的と一致するため正しいです。選びやすい理由:正しい選択肢なので、生理学的知識があれば選択しやすい。混同注意:特に混同するものはありません。
- 2. 発汗は、体温がセットポイントよりも高い場合に、熱を放散させて体温を下げるための反応です。セットポイントが上昇した直後には起こりません。正しくは:発汗は、セットポイントより体温が高い場合に体温を下げるために起こる。選びやすい理由:体温調節反応の一つであるため、無意識に選んでしまう可能性がある。混同注意:発熱のピーク後の解熱期に起こる反応と混同しやすい。
- 3. 代謝抑制は熱産生を減少させる反応であり、体温がセットポイントよりも高い場合に体温を下げるために起こります。セットポイントが上昇した際には、熱産生を亢進させて体温を上げる必要があります。正しくは:セットポイント上昇時は、熱産生を増やすために代謝は亢進する。選びやすい理由:体温調節反応に関する選択肢であるため、注意深く読まないと誤解する可能性がある。混同注意:低体温時に起こる反応と混同しやすい。
- 4. 皮膚血管拡張は、皮膚血流を増加させて熱放散を促進し、体温を下げるための反応です。セットポイントが上昇した際には、熱を保持するために皮膚血管は収縮します。正しくは:セットポイント上昇時は、熱放散を抑えるために皮膚血管は収縮する。選びやすい理由:体温調節反応の一つであるため、発汗と同様に誤って選んでしまう可能性がある。混同注意:発熱のピーク後の解熱期や、運動後の体温調節反応と混同しやすい。
国試ポイント
体温調節におけるセットポイントの概念と、それに応じた生理的反応(熱産生・熱放散)を理解する。
混同注意
発熱時の体温調節反応と、環境による体温調節反応を混同しやすい。発熱時はセットポイントの上昇が原因であるのに対し、環境による体温変動ではセットポイント自体は変化しない。
次に同じ論点が出たら
「セットポイントが突然高く設定された」という記述があれば、その後の生理反応は体温を上昇させる(熱産生・熱保持)方向のものであると判断する。
関連知識
体温調節中枢は視床下部にあり、セットポイントの変更にはプロスタグランジンE2などが関与します。熱産生には筋肉の震え(シバリング)や代謝亢進、熱放散には発汗や皮膚血管拡張があります。セットポイントが上昇した際は、これらの熱産生・熱保持反応が優先されます。