Aさん(65歳、男性)はうっ血性心不全の急性増悪で入院し、治療を受けて自宅に退院した。退院後は月1回の外来通院、週1回の訪問看護で生活指導を受け、血圧、体重、労作時の自覚症状について日誌に記録することになった。初回訪問時、Aさんは訪問看護師に「庭で野菜を作るのが趣味です。野菜作りの作業をしていると夢中になって時間を忘れてしまいます」と話した。訪問看護師のAさんへの助言で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Aさんは心不全の急性増悪で入院歴があり、現在は日誌に血圧、体重、労作時の自覚症状を記録しています。趣味の野菜作りに没頭しやすいというAさんの特性を考慮し、日誌の記録を客観的な指標として活用しながら、自身で体調に応じた作業量の調整を促すことは、心不全の自己管理能力を高め、増悪を予防するために最も適切な助言です。これにより、患者は自身の活動と身体反応の関連性を学び、安全に趣味を継続できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 心不全患者にとって適度な活動はQOL維持のために重要であり、過度な安静は心機能低下を招く可能性もあります。趣味の活動を全く禁止する助言は適切ではありません。正しくは:活動内容や強度を調整するよう助言します。選びやすい理由:心不全の急性増悪の既往があるため、安静を勧めたくなるかもしれません。混同注意:急性期と維持期の心不全管理の違いが混同される可能性があります。
- 2. 患者のQOLを高める趣味活動を一方的に中止させる助言は不適切です。心不全患者でも身体活動量を考慮し、安全に楽しめる活動を続けることが推奨されます。正しくは:趣味活動を続けるための工夫や調整方法を一緒に検討します。選びやすい理由:身体的な負担を減らすという観点から、趣味の変更を提案したくなるかもしれません。混同注意:趣味活動が心臓に負担をかける可能性があるという認識が、活動そのものの禁止に繋がりやすいかもしれません。
- 3. うっ血性心不全患者において、一度に多量の水分を摂取することは心臓に負担をかけ、心不全の増悪リスクを高める可能性があります。水分摂取量には制限が設けられている場合が多く、具体的な量については医師の指示に従う必要があります。正しくは:水分摂取については、医師の指示や体調に合わせて適量を摂取するよう伝えます。特に制限がある場合はその旨を強調します。選びやすい理由:脱水予防の観点から水分補給を促したくなるかもしれませんが、具体的な量には注意が必要です。混同注意:一般的な熱中症対策と心不全患者の水分管理が混同される可能性があります。
- 4. 正解。Aさんは日誌に血圧、体重、労作時の自覚症状を記録しており、これらは心不全管理の重要な指標です。趣味の活動(野菜作り)に没頭してしまう傾向があるため、日誌の記録を通して自身の状態と活動量の関係を把握し、無理のない範囲で活動を調整できるよう促すことは、自己管理能力の向上と心不不全の増悪予防に繋がる適切な助言です。正しくは:現在の助言で適切です。選びやすい理由:特になし。これは直接的な自己管理を促す最も適切な選択肢です。混同注意:他の選択肢が不適切であるため、比較的選びやすいですが、自己管理の重要性を理解しているかどうかが問われます。
国試ポイント
心不全患者の生活指導における自己管理能力の促進と、具体的な指標(日誌)を用いた活動調整の支援がポイントです。患者の個別性(趣味への没頭)を考慮した助言が求められます。
混同注意
誤った水分補給の指示(選択肢3)や、QOLを低下させる過度な安静・活動制限(選択肢1, 2)と混同しないことが重要です。心不全管理は、単なる安静だけでなく、症状をモニタリングしながらの適度な活動が推奨されます。
次に同じ論点が出たら
Aさんが日誌をどのように活用しているか、自己調整の状況について具体的な聞き取りを行い、必要に応じて作業量の調整方法を具体的に指導する(例:休憩を挟む、午前中のみにするなど)。
関連知識
心不全患者の自己管理、フレイル予防のための適度な運動、水分・塩分管理、症状モニタリングの重要性、患者教育、訪問看護の役割。