Aさん(55歳、虚血性心疾患)は4人部屋に入院している。Aさんは緊急で心臓カテーテル検査を行うことになった。日勤の担当看護師がAさんの検査のために訪室すると、同室の右片麻痺のあるBさん(60歳、脳出血)からトイレに行きたいと声をかけられた。このときの看護師の行動で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Aさんは緊急の心臓カテーテル検査を控えており、担当看護師はAさんの移送準備を優先する必要があります。しかし、同室のBさんは右片麻痺があり、トイレ介助を必要としています。Bさんの訴えを無視すると転倒のリスクや精神的苦痛を招く可能性があります。この状況で担当看護師がその場を離れずに別の看護師に応援を要請することで、Aさんの緊急対応を滞らせることなく、Bさんの安全とケアも同時に確保できます。これは、限られた人員と時間の中で、複数の患者さんの緊急度と必要性を考慮し、チームで対応する最も適切な行動です。
選択肢ごとの解説
- 1. 緊急を要するAさんの検査移送と、Bさんのトイレ介助という目の前のケアに対する具体的な解決策を遅らせてしまいます。まず状況判断し、その場で対応を検討することが必要です。正しくは:その場で可能な対応を判断し、行動に移すか、応援を呼ぶ。選びやすい理由:リーダーへの報告は重要だが、緊急時において初動としては遅い可能性がある。混同注意:リーダーに報告することは間違いではないが、最優先の行動ではない。
- 2. Aさんの心臓カテーテル検査は緊急性が高く、待機させることで容態が悪化するリスクがあります。Bさんのトイレ介助も必要ですが、Aさんの緊急性の方が優先されます。正しくは:Aさんの緊急性を優先し、Bさんのケアは他の方法を検討する。選びやすい理由:目の前のBさんの訴えに応えたい気持ちから、選択肢として魅力的だが、Aさんの緊急性を見落とす。混同注意:Bさんのケアは必要だが、Aさんの緊急度が高い。
- 3. Bさんは右片麻痺があり、トイレに行きたいという訴えを無視することは転倒のリスクや患者の尊厳に関わります。Aさんの移送は必要ですが、Bさんの訴えも放置できません。正しくは:Bさんの安全と尊厳を確保しつつ、Aさんの移送を進行させるための別の手段を講じる。選びやすい理由:Aさんの緊急性を優先する判断は正しいが、Bさんの切迫したニーズを無視することになるため、リスクがある。混同注意:Aさんの緊急性もBさんの切迫性も考慮する必要がある。
- 4. 正解。Aさんの緊急性を考慮し、担当看護師はAさんの移送を最優先すべきです。同時に、Bさんのトイレ介助も必要なケアであるため、その場を離れずに他の看護師に応援を求めることで、両方の患者さんのニーズに迅速かつ安全に対応できます。正しくは:この行動が最も適切。選びやすい理由:一見、手間がかかるように見えるが、結果的に最も安全で効率的な対応である。混同注意:自分一人で全てを解決しようとするのではなく、チームで対応することの重要性を示す。
国試ポイント
緊急時の優先順位の判断と、多重課題に対する適切な状況判断、およびチーム連携能力が問われる問題です。患者の緊急度、安全、尊厳を総合的に考慮した上で、最も効率的かつ安全な行動を選択する能力が求められます。
混同注意
1と3は一見、妥当に見えるかもしれませんが、状況の緊急性や患者の安全性を最大限に考慮すると、最善の選択肢とは言えません。特に3は、Bさんの安全と尊厳を損なうリスクがあります。
次に同じ論点が出たら
応援の看護師が到着した後の指示内容や、Bさんのトイレ介助後の状態確認、Aさんの検査室までの安全な移送、検査室への情報提供。
関連知識
看護過程における優先順位の決定、緊急時のアセスメント、多重課題への対応、チーム医療における連携、転倒・転落のリスク管理、患者の権利と尊厳。