血液凝固因子はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
血液凝固は、血管損傷時に止血を促す重要な生体防御機構です。選択肢1のトロンボプラスチン(組織因子)は外因系凝固経路の開始に不可欠であり、選択肢4のフィブリノゲンは凝固カスケードの最終段階でフィブリンに変換され、血栓の主要な構成要素となります。これらは直接的に血液を凝固させる働きを持つ因子です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。トロンボプラスチン(組織因子)は、血管が損傷した際に組織から放出され、血液凝固反応の「外因系」を開始させる重要な役割を持つ因子です。これにより、凝固カスケードが活性化されます。
- 2. これは血液凝固因子ではありません。エリスロポエチンは腎臓で産生されるホルモンで、骨髄での赤血球生成を促進する働きがあります。正しくは:赤血球の産生を促すホルモンであるため、貧血治療にも用いられます。選びやすい理由:「血液」という言葉に関連するため、血液凝固因子であると誤解しやすいかもしれません。混同注意:血液細胞の産生を促進する「造血因子」と、血液を固める「凝固因子」とを混同する可能性があります。
- 3. これは血液凝固因子ではありません。ウロビリノゲンは、肝臓で生成されるビリルビンの代謝産物であり、主に便や尿中に排泄されます。正しくは:肝機能や溶血性疾患の診断指標として、尿検査などで測定される物質です。選びやすい理由:身体の代謝に関わる物質であり、血液中に存在する成分と誤解される可能性があります。混同注意:血液成分や生化学検査の他の項目と混同する可能性があります。
- 4. 正解。フィブリノゲン(第I因子)は、血液凝固カスケードの最終段階でトロンビンによって活性化され、不溶性のフィブリンに変換されます。このフィブリンが網状構造を形成し、血餅(血栓)の主要な構成成分となります。
- 5. これは血液凝固因子ではありません。プラスミノゲンは、凝固した血栓を溶解する「線溶系」に関わる前駆体です。活性化されてプラスミンになると、フィブリンを分解し、血栓を溶かす働きをします。正しくは:血栓溶解作用を持つプラスミンの前駆体であり、血液凝固とは反対に、血栓を分解する過程で重要な役割を担います。選びやすい理由:名前に「ゲン」がつき、血液凝固因子であるフィブリノゲンと響きが似ているため、凝固に関わる因子だと誤って判断しやすいです。混同注意:血液を固める「凝固因子」と、固まった血栓を溶かす「線溶系因子」とを混同しやすいです。
国試ポイント
血液凝固・線溶系に関する基本的な知識が問われています。特に、各因子の役割(凝固促進か、凝固抑制か、それとも凝固・線溶以外の機能か)を正確に理解しているかがポイントです。名称が似ている因子や、血液に関わる他の物質と区別できるかが重要となります。
混同注意
「血液凝固因子」と「線溶系因子」、あるいは「血液細胞の産生に関わる因子(例:造血因子)」や「血液の代謝産物」との混同がよく見られます。特に、フィブリノゲン(凝固)とプラスミノゲン(線溶)は名前が似ているため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各血液凝固因子の番号(例:フィブリノゲンは第I因子)や、ビタミンK依存性凝固因子の種類、抗凝固薬が作用する因子、あるいは線溶系の主要な因子の役割を問われる可能性があります。
関連知識
血液凝固カスケード(内因系・外因系・共通系)の経路、ビタミンK依存性凝固因子(II、VII、IX、X因子)、抗凝固薬(ワーファリン、ヘパリンなど)の作用機序、線溶系(プラスミン、t-PAなど)、DIC(播種性血管内凝固症候群)の病態生理などが関連知識として挙げられます。