Aさん(83歳、男性)は、脳梗塞の後遺症で右片麻痺があり、在宅療養中である。嚥下障害のため胃瘻を造設している。義歯を装着しているが、自分の歯が数本残っている。Aさんの口腔ケアについて、介護者への指導で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
残存歯がある場合、歯垢(プラーク)を物理的に除去するために歯ブラシを使用することは、口腔衛生を保つ上で最も効果的で基本的な方法です。特に在宅療養中の高齢患者では、口腔内の清潔が誤嚥性肺炎の予防に直結するため、適切な歯ブラシの使用は重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 義歯は取り外して清掃することが基本です。装着したままだと、義歯と歯の隙間に汚れが残りやすく、清掃が不十分になります。また、義歯そのものの清掃もできません。正しくは:義歯は外して清掃し、自身の歯を磨く。選びやすい理由:義歯を外す手間を省きたいという心理から、装着したままケアしようと考えるかもしれません。混同注意:義歯を装着している状態での口腔ケアと、義歯と残存歯それぞれへのケアの区別。
- 2. 経管栄養直後に口腔ケアを行うと、胃内容物の逆流や嘔吐のリスクが高まります。特に嚥下障害がある場合は、誤嚥性肺炎のリスクが増大します。正しくは:経管栄養剤の投与前や、投与後しばらく時間を置いてから実施する。選びやすい理由:食事(経管栄養)の直後に口腔ケアをすることは一般的と誤解されるかもしれません。混同注意:通常の経口摂取後の口腔ケアのタイミングと、経管栄養の場合の適切なタイミング。
- 3. 嚥下障害があるAさんの場合、ペースト状の歯磨剤は口腔内に残りやすく、誤嚥のリスクがあります。使用する際は、少量を水で薄めるか、ジェルタイプなど誤嚥しにくい製品を選定することが重要です。正しくは:誤嚥のリスクが低いジェル状の歯磨剤や、少量の歯磨剤を薄めて使用する。選びやすい理由:普段使われる一般的な歯磨剤の形状がペースト状であるため、特に問題ないと判断しがちです。混同注意:健常者への口腔ケアと、嚥下障害のある患者への口腔ケアの違い。
- 4. 正解。残存歯がある場合、歯ブラシは歯垢(プラーク)を効果的に除去するための最も基本的な用具です。適切な方法で歯ブラシを使用することで、虫歯や歯周病の予防につながります。選びやすい理由:他の口腔ケア用品(スポンジブラシ、口腔ウェットシートなど)も選択肢として考えられますが、歯垢除去には歯ブラシが最も効果的です。混同注意:歯ブラシ以外の清掃用具の役割と、歯ブラシの役割。
国試ポイント
高齢者や基礎疾患(脳梗塞、嚥下障害)を持つ患者の口腔ケアに関する基本的な知識と、在宅看護における介護者への具体的な指導内容が問われています。誤嚥のリスク管理や、残存歯と義歯のケア方法を正確に理解しているかがポイントです。
混同注意
通常の口腔ケアと、嚥下障害や片麻痺などの特定の状態を持つ患者への口腔ケアの違い。特に、誤嚥リスクを考慮したケアの実施タイミングや使用物品の選択。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、患者の疾患や身体状態(嚥下障害、麻痺など)に合わせた個別的なケアの必要性を考慮し、誤嚥や窒息などのリスクを避けるための具体的な方法(体位、タイミング、使用物品)に注目して判断します。特に「〇〇直後」や「〇〇したまま」といった限定的な表現には注意が必要です。
関連知識
誤嚥性肺炎の予防、残存歯と義歯の清掃方法、嚥下障害患者のケア、口腔ケア用品の種類と選択、経管栄養患者のケア。